あてもなく

誰かへの手紙

今さらながら「逃げ恥 新春SP」の感想



冬休みが明けた最初の平日、録画してあった正月特番「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」を見ました。

 

たまたま昨年11月にレギュラー放送の逃げ恥をAmazonプライムビデオで全部見ておいたのでタイムリーでした。

そのときにも、いろいろ感想を書きたかったのに上手くまとめられず心残りに思っていたので、続編でもあるスペシャルドラマを見た上で改めて思った事を書いてみたいと思いました。

 

正直言って、スペシャルドラマ、あまり面白くは感じられませんでした。どちらかというと「勉強」って感じ。興味深くはあったので、そういう意味では面白かったけど、娯楽としての「面白い」ではなかったので。

時間的な制約というよりは、集中力的な意味でぶっ続けで見ることがしんどくて、細切れにしてちょっとずつ見た感じです。

 

何が面白くなかったのかなあと考えてみたのですが、登場人物たち、とくに主人公のみくりがあまりに「正しさ」にとらわれているところが息苦しく感じられてしまったのだと思います。

真面目といえばわたしこそ「クソ」が付くほど真面目な人間なので、他人のことを「真面目だなあ」と揶揄するようなことはしたくありません。

真面目は結構。

だけど、正しさにこだわって自分や周りの首を絞めては本末転倒ですよね。

 

なんていうか、彼らの「奮闘」は、本当に自分がやりたいことだからしんどくても頑張る、というよりは、自分の考える「正しさ」を通すためにわざわざ挑んでいる、みたいな感じを受ける部分がちょいちょいあったんですよ。

 

たとえば、臨月を控えたみくりがつわりのせいで全く家事が出来なくなるシーンがありました。そのとき、平匡は「大手を振って育休を取るためには今のうちに仕事をきっちり片付けなくてはならない」という状況でした。

仕事は普段以上に頑張らなくてはならない状況なのに、みくりが動けないため家事も自分が全部やらなくちゃいけない。

家事と仕事両方の負担のあまりの重さに追い詰められた平匡は、たまりかねてみくりを責めるような言葉を投げかけてしまう。

そして、最後は二人で大泣き。

そのシーンを見た時に思ったのです。

 

もしかしたら、この家庭の場合は夫が育休を取らない方がラクなんじゃないの?

 

と。

 

「男が育休を取る」ことへの世間の無理解と戦うことは大事なことかも知れない。

だけど、そんなことより今こんなにしんどいのはなんでかって考えたら、全部「育休を取る」ためじゃないですか。

本当にその「育休」を取ることが最優先で必要なことなのかしら?

まだ見ぬ赤ん坊との、誕生~1ヶ月間の暮らし想像上の大変さに備えることより、今目の前にある危機に対応することのほうがよほど大事なんじゃないですか?

 

来月から1ヶ月休むつもりじゃなければ、仕事だってもうちょっと余裕を持ったやり方で進めることができるんじゃないですかね。

丸々1ヶ月育休を取るとかじゃなく、たとえばピンポイントで休暇を取るとか時短にするとか。何かなかったのかなって思いました。

 

要は、「男も当たり前に育休を取れる世の中」を目指すという大義も大事ですが、目の前の瞬間瞬間をどう快適に乗り切るかということのほうが、個人の人生には大事なことなのではないか?とわたしは思ったんですよ。

そんなことじゃ世の中変わらないじゃないかって怒られるかもしれないけど、世の中が変わることと自分や身近な人が今日を快適に過ごすことのどっちが大事かっていったら、わたしはやっぱり身の回りの快適さを選んでしまう。

 

結果的に、コロナの影響により平匡は早々に育児休暇を返上し職場に復帰することになります。

みくりは赤ん坊を連れて実家に帰る。

産前の奮闘もむなしく、結果だけ見れば昔ながらの「里帰り出産」と似たようなことになってしまった二人の育児生活。

それも、リアルと言えばリアルだけど、「新しい夫婦の形」のフィクションとしてはどうかなと思ったポイントだったりします。

最後のシーンで平匡は「最初からやり直したい」と言いました。

なんか、劇中の人物の台詞でありつつ、コロナのせいで曲げられてしまったストーリーにも向けられているように感じてしまいました。

 

ま、とはいっても。

今回は「コロナの影響」でしたが、それに限らず、人生一寸先は闇なんですよね。

いろんな理想を持って、正しい準備をしていても、いろんな事情でひっくり返ってしまうことはよくあることです。

高い理想に向けて努力と根性でがんばることももちろん大事だけど、一番必要なのは、変化に対応する柔軟性なんじゃないかと思いました。

そういう意味で、生きる為に「妻が赤ちゃんを実家に連れて帰り、夫が一人で働く」という形を二人が選んだこと、わたしは勇気ある撤退だと思いました。

 

ほかにもいろいろありますが、とりあえずそんなところです。