あてもなく

誰かへの手紙

大人になっても、人って基本的にはとっても繊細なんじゃないかな



昨日のバイトは、最近あまり一緒に働いてなかったマネージャーさんが仕切る回だった。

その人は、とても明るくて笑顔が優しくて素敵な女性のマネージャーさんで、さらに、ものすごくテキパキしていて、びっくりするぐらい仕事が出来る人だ。

 

普段から、わたしはレジ以外では普通のスタッフの半分~せいぜい7割ぐらいのスピードでしか動けていないのだが、おそらくその人は普通のスタッフの2~3倍ぐらいの戦力があると思われる。超人だよね。

そして、超人マネージャーだけに、人の能力を見極める感度も高い。

彼女がシフトに入ってから5分ぐらいでわたしの能力が一人前ではないことを見抜かれて、「あなたはレジ担当ね」と割り振られてしまった。

 

まあ確かに、わたしはレジが一番得意なんですよね。

レジはわりと自分のことだけに集中すれば大丈夫だから得意で、後ろの、商品を取りそろえたりドリンクを用意したりする仕事は、チームプレーだからちゃんと空気を読まなければならず、わたしなんかは時々もたついて迷惑をかける。

ただ、1年半やって、最近は少しそっちの仕事にも自信がついてきたところではあったんだけど。

 

さて。

レジ担当とはいえ、お客の来店が切れて手が空けばレジを離れて別の仕事のサポートに入る。

わたしがサポートに入ってレジを外した隙に新しいお客さんが来たら、わたし以外の手が空いていた人が代わりにレジに入ったりすることもある。

普通のマネージャーさんが仕切っている回では、そういった「展開のアヤ」的な出来事はなんとなく流されて、後からタイミングを見て元の担当に戻ったりするのだけど、超人マネージャーはそういう「アヤ」を絶対許さない。

綺麗な笑顔で「はい、たびのひとさん、レジ戻って!」と毎度声が掛かってレジに戻される。

他の人がレジに入ろうとすると「そこは、たびのひとさんが入ります」とピシャリと止める。

 

そんな感じで、わたし、昨日はずっとひたすらレジだけ打ってました。

それが一番店にとってスムーズだ。その方が、絶対に早い。

だけど、そのとき思ったんだよね「ああ、やっぱりわたしがレジ以外の仕事をすると、お店にとっては邪魔になるんだなあ……」って。

自分でもみんなの半分から7割しか動けてないことはわかってるんです。

わかってるけど。

「わたしは邪魔なんだ」ってハッキリ突きつけられたことで、すごく暗い気持ちになってしまった。

 

もう1年半もやってるのに、未だに一人前になれないの。何でだろう。

わたしは今の仕事、全然合ってないんだよね。

いや、っていうか。

もしかしたら本当はわたしってそもそも「仕事が出来ない人」なのかもしれない。

40過ぎてこんなの恥ずかしいな。

そんな考えが頭の中でリピートして、どんどん落ち込んできて。

最後は「ああ、そろそろこの仕事、無理なのかなあ、辞めちゃおうかなあ」って。

 

昨日は、そんな暗い気持ちのまま、仕事を上がって帰ってきたわけです。

 

基本的にはこの件、わたしの能力不足だし、マネージャーさんは何も悪くないです。

そんなことで傷ついてメソメソしてるなんて、わたしの方が、大人のくせにどうかしているのです。

が、ちょっとだけ、思ったこと。

 

たしかに、わたしをレジに除けておいてチームプレーの部分を上手な人たちで回した方がお店はスムーズにまわる。ただ、それで短縮される時間というのは、1件数秒程度なのだ。(まあ、積み重ねると大きいんだけどね)

ただ、一人の従業員に「辞めちゃおうかな」って思わせてまでその数秒を実現する必要ってあるのかな?

別に、そこまで完璧にガツガツしなくたって、よくない? って。

 

いや、そりゃ~、たびのひとが繊細すぎでしょ、っていう案件ではあるけれど。

意外と人の気持ちって繊細なものじゃないですか。

本当の心の底の底を覗いたら、大人も子供も変わりなく、ずっと繊細なところがあって、普通にちょっとしたことで傷ついたり悲しくなったりしてるのも人間だと思うのです。

 

大人になったら、人ってみんな表向き平気な顔をしているし、そんな事でいちいち傷ついてたらキリが無いって思ってる。

そんなことでいちいち気を遣ってたら仕事にならないよねって、わたしも思う。

大人だからそれを表に出さないし、表向きそんな事で傷ついたのどうのって話をしたりはしない。傷つけた人が悪いってことには絶対ならないけれど。

 

案外、リーダー的な立場の人がそういうところまで気遣えるかどうかで、そこの職場の、仕事の質って変わってくるんじゃないかなーって思うんだよね。

なんでもかんでも効率ばっかりで、人の気持ちをないがしろにしすぎると、ダメになることもあるんじゃないかな、と。

あのお店は、慢性的に人手不足気味なんだよね。

だからこそ、高度に最適化された配置でブンブン店を回したいという気持ちもわかる。

けどね、わたしもあまりずっと邪魔にされるようなら「つまんないし、他の仕事探そうかな」ってなっちゃうと思う。

っていうか、たった1日でも悲しい気持ちで働くと、そういう発想になってしまう。

人は弱いものです。

それは、結果としてお店にとっての損失になると思う。

その部分も、本当はあまり軽く見ない方がいいんじゃないかって、思ったのです。

 

たとえ半人前でも、いるといないじゃ大違いなんだよ。わたしにそれを教えてくれたのもあの職場だったはずなんだけど。超人マネージャーは超人だけに、その辺あまりピンとこないのかもしれない。

 

わたしも、仕事ではないけど、学校関係のボランティアでまとめ役的な立場を引き受けていて、人に頼んであれこれやってもらう場面が結構ある。

そういうところでもやっぱり、よく動いてくれる人、なかなか難しい人、いろいろいるんだよね。むしろ、仕事ではないからこそ、バラツキは大きいのかもしれない。

だけど、そこで効率重視に偏りすぎて人の繊細な気持ちをないがしろにしてしまうと、場合によって取り返しの付かないことになる可能性がある、と気がつきました。

 

この出来事から学ぶとすれば、こういうことかな。