あてもなく

誰かへの手紙

非常事態の世の中で働いてきた感想

世の中の状況が大きく変わって、バイト先のファストフード店の風景にも変化があった。 

ファストフード店は大盛況

今月に入って一斉休校になった影響で、ファストフード店はとても混雑していた。

体感だけでなく、数字として普通の平日の1.5~2倍ぐらい儲かっている様子。

店員がマスクしてるのしてないの、ということでネット上で少し批判の声が出たりもしていたけれど、何のその、それよりも「すぐ買えて子供が喜ぶ昼ごはん」として大人気。

一方で、一斉休校のおかげで働けなくなった店員もいるので店は人手が足りず、普段より会計待ち・商品待ちの時間が長くなりがちだ。

しかし、長めの行列ができても、お客様はいつもより長く待って買って行かれる。

商売としては良いのかもしれないが、働く方としてはかなりハードだった。

客層の変化

お子様単独、あるいはお子様だけのグループで買いに来られるお客様を、これまでの春休みや夏休み等レギュラーの長期休暇より多く見かけるように思う。

おそらく、レギュラーの長期休暇であれば預け先や食事のアテがきっちり決まっているのだろうけれど、今回は突然始まった休みだったので、いろいろ手当が間に合わなかったのだろうなと想像する。

親が子供にお金を渡して「とりあえず、今日は外で買ってね」ってことにした家庭が多かったのだろう。

また、普段の平日の昼時にはほとんど見かけることがなかった「子連れのお父さん」を多く見かける。

平日の昼時といえば、通い慣れた常連さんが多いので注文も会計もサクッと済むのだけど、今はそうではないお客様が多く、またその場にはいない家族の分をあれこれ考えながら大量に買って行かれたりするので、注文自体に時間がかかってしまうし、支払い方法について説明を要する場面も増えたので、余計に仕事のボリュームが増えた感じがする。

 

店内飲食は減少、持ち帰りが多い

子連れのお父さん、または夫婦と子供の家族連れがやってきて4~5人前のセットをお持ち帰りになるケースが多い。1回の会計辺りの単価が上がるので、当然だけど売上は伸びる。

店内飲食より持ち帰りを選ばれるのは、やはり不特定多数が過ごす場所でマスクを外して口を開けるのは不安だからなんだろうなと思う。

また、手洗いの問題もある。店頭にも一応手洗い場はあってハンドソープやアルコール消毒は設置してあるが、それでも子供複数名連れて手を洗わせるとなると、やはり家の洗面所の方が落ち着いて丁寧に手を洗うことができるし安心なんだろうと思う。

 

店は人手不足

上の項でも触れたが、平日の昼間は子供がいる主婦が多く働く時間帯だが、休校の影響を受けて働けなくなったスタッフが多数いるため、シフトに入っている従業員がかなり少ない状態で店を回している。

学生は、休みといえば休みだが、今は感染予防に外に出ることを控えることが推奨されている時期でもあるのでやはりそれほど積極的に働く人ばかりではなくなっているようで、みんながみんなバリバリ出勤してくれるわけではない。

そういう状態の店に出勤すると、当然人手が足りていないので、一人あたりの仕事の負担が重くなる。

お客様の待ち時間も延びるが、こちらも決してゆっくりやっているわけではなく、精一杯走り回ってやっとこさ回している感じなのだ。

そうなると、やはり働く方としてはだんだん「割が合わない」感じになってくる。

忙しいだけじゃない。不特定多数の人たちと対面して接客する仕事には感染リスクもつきまとう。

それでも、時給は同じなんだもん。

 

わたしの場合、今週の分のシフト希望を提出したときはまだ全面休校の話は出ていなかったので今週はいつも通りに働いたが、わたしも来週以降はしばらく勤務しないことにしてある。

来週から店がどうなるかは、あたしゃ知りませーん、な感じ。

考察

自粛ムードが広がって、観光業や飲食業は大きな打撃を受けているという話はテレビなどでもしきりと報道されている。

宴会の自粛などで予約が激減した店、給食の中止でほとんど売上が消えてしまった食品工場などが大きく取り上げられている。

一方で、人々は日々の生活があって、当然食事をしなくなったわけではない。

減った分はどこかで補わなければならない。家庭で作るなどしてまかなうにも限界があるしそれをする人の負担は大きいのである程度外で調達する必要が出てくる。

その受け皿として、ファストフード店に人が集まり始めているようだ。

もしかしたら、トイレットペーパーなどの紙製品がナゾに品不足になったように、ファストフード店の需給もパンクする日が来るのかもしれない。

いやまあ、来ないかもしれないけどw

 

なにしろ、思ってもみないことがどんどん起きる世の中です。

今まで以上に、状況を見ながらさっと動ける柔軟性が必要になってくるのではないでしょうか。

現場からは以上です。