あてもなく

誰かへの手紙

2月の読書記録(3)

わたしは以前から、Twitter上などで話題になったのを見かけてちょっと興味を持った本をメモっとくためのリストを作っていたのだけど、読まないまま何年も放置してしまっていた。闇雲に図書館で探すと、どうしても読み進められなくなるぐらい興味が持てない物語を借りてしまうリスクがあることに気がついたので、2月はそのリストにある本から狙って消化していくことにした。

何年も放置してあったリストなので、正直、何故この本読みたいと思ったのか理由も思い出せないものも多かったが、一度は興味を持った本なのだから、闇雲に借りるよりはマシだろうと思ったのだ。

 

というわけで、2月の読書記録、本日最終回です。

 

2月21日 北川恵海「ちょっと今から仕事やめてくる」

これはライトノベルというジャンルになるのかな?

とっても読みやすくてわかりやすくて優しいハッピーエンドのお話。

タイトルからして最後には救いがあるんだろうと予想できたので安心して読むことができた。正直、設定や展開は少し安易かなとは思ったが、これぐらいシンプルな方がメッセージは伝わりやすい気がする。

わたしよりも15~20歳ぐらい若い世代の人たちにとって「社会」ってこんな場所なんだろうか。自分も氷河期の入口の頃に社会に出た身だけれど、ほんっと、全然良くなっていかないよねえ。

世の中の、ほとんど人が普通の、悪く言えば凡庸な人ばかりなのに、なんでこんなに「ただ生きる」だけのことが難しくなってしまったんだろう。「生きる」ことがこんなに無理ゲーだったら、そろそろ成り立たなくない?

 

2月28日 村山早紀「百貨の魔法」

古き良き時代をそのまま現代に残したような「素敵な」百貨店が舞台の物語。

わたしは子供の頃好きだった梅田の阪急百貨店を思い出しながら読みました。

今はもうエレベーターガールが乗ってる手動のエレベーターをそのまま使ってるような百貨店は存在しないのではないかな。

「素敵」だからこそ時代に置いて行かれて案の定経営難に陥っている百貨店と、その百貨店を愛してやまない人々の願いを体現するような「魔法」のお話。

 

この本ねえ、読むのにめちゃくちゃ時間がかかってしまって大変だった。

いや、別に時間掛かってもいいんだけどね。

なんというか、この方の文章のペースと自分のペースが合わなくて、普段の読書のようにすいすい吸収していけない感じがちょっと苦手だった。

心温まる優しいストーリーなのだけろうけど、綺麗すぎて息がつまるというか。

わたしだって、なんでもかんでも効率や生産性だけ追い求めて大事なものを切り捨てていくのは違うかなとは思っているけれど、だからって、思い出だけじゃ生きていけないでしょ?って。

わたしみたいな人間は多分あの世界だと悪者として描かれてしまいそう。なので、そういう意味で「ついて行けない」感じがしたお話。

2月29日 能町みね子「言葉尻とらえ隊」

週刊誌の連載をまとめた本。

有名人の発言や話題になったニュース、バズったSNSの投稿などから、筆者が気になった「言葉尻」をとらえて論じる時事エッセイ。

2011年~2014年に連載されたもののまとめなので、どこか時期を過ぎてしまった感じ。できればもっと記憶が新しいウチに読んでおけば良かったなあという感じ。(ちなみに、今も連載が続いているらしいので、その気になれば記憶が新しい話も読むことができそう)

週刊誌の連載という性質上文章がとても短い。文庫本で見開きの2ページで一つの話題が終わるため、ああもうちょっと聞きたかったと毎回思ってしまう。

この字数でまとめるの大変だっただろうなあと、謎の「書く人目線」で思ってしまった。

 

以上、2月の読書記録でした。

体調が悪かったり世の中の状況が悪かったりで元々の気分が下がりがちだったため、本を読んでいるときに感じる「楽しさ」の値も下がりがちな1ヶ月だった。

3月に入ってもあまり状況は好転していないので、このまま苦戦が予想される。