あてもなく

誰かへの手紙

2月の読書記録(2)

昨日は別の話題を挟んだけれど、今日は2月の読書記録に戻ります。

ではどうぞー。 

2月13日 北村薫「中野のお父さん」

日常の謎系ミステリ。

出版社に勤務する若手女性社員とお父さんの物語。中野というのは苗字ではなくて東京の地名の「中野」で、主人公の女性の実家が中野にあるという設定。

日常、というか、主に仕事の関係で「ちょっと不思議だなあ」と心に引っかかった出来事を、お父さんに「どう思う?」って相談すると、お父さんは持ち前の知識と経験と洞察力によってその疑問をたちどころに解決してしまう、みたいな。

安楽椅子探偵とか言うんでしたっけね、こういうの。

読んでて思い出したんだけど、高校生か大学生ぐらいの時に北村薫氏の作品を読んだことがあった。「空飛ぶ馬」からはじまる一連の作品で”円紫さんと私シリーズ”と呼ばれているもの。多分全部は読んでないと思うんだけど。

”円紫さんと私シリーズ”もそうなんだけど、女の子とおっさんが良い感じに仲良くて(今作はお父さんだから別に良いんだけどさ)女の子はちょっと古風な渋い趣味があったりして、妙におっさんが好きそうなタイプなのがなんかちょっと気持ち悪い。

こういう風に女の子と仲良くしたいなあ、という願望が透けて見えるというか……(失礼)

あと、東京の具体的な地名が「当たり前の知識」のように出てきて、昔読んだとき大阪在住だったわたしはそれもなんとなく感じ悪いなあと思っていて。

今作も同じで、今は関東に住んで土地勘が付いたからそこまで嫌味にも思わなくなったけど、それも相変わらずだなあと思ったりした。

要は、なんかちょっと鼻につく、ってことでw

個人の好みの問題なので、好きな人、ごめんね。

 

文章は読みやすくて上手いと思います。

日常の謎系のお話は好きなので、好きになれないのがちょっと残念。

 

2月16日 中山七里「おやすみラフマニノフ」

ずーっとずっと昔に読んだ「さよならドビュッシー」と同じ「ピアニスト岬洋介」シリーズの続編。

読みたいと思いつつ、ついつい読み忘れていた本。

わたしはわりと読んだ本の内容を覚えている方なんだけど、その中でも「さよならドビュッシー」はオチが強烈で忘れられない本である。

続編といっても探偵役が同じ人なだけで、話としては全く別モノで前作を知らなくても読めます。

 

今回もやはり最後に強烈な種明かしを持ってくる構成になっていて、最後は「へえ」ってなる。

「さよならドビュッシー」がピアニストの清塚信也氏主演で映画化されていた(観てないけど)ため、今作も同じ探偵役で登場するピアニストの岬洋介が清塚氏の顔で再生されてしまう。一応シリアスなつくりの話なのに、そこだけなんか可笑しくてw

 

ところで、先月は中山可穂氏の「ケッヘル」という本を読んだんだけど、本当はこの本を探して書架をさまよっていたのです。「おやすみラフマニノフ」は書架になくて、たまたま「中山」姓で隣同士の配置になっていて、音楽つながりでもある「ケッヘル」を手に取ったというご縁でした。

それでね、この本の大事なオチのところが、先日読んだその「ケッヘル」に出てくるある人物の設定と大きく被っていてちょっと笑ってしまった。

「おやすみラフマニノフ」の肝心な部分のネタバレになってしまうので詳しくは書けないんだけど、要は、音楽家をなんだと思ってるんだ!っていう。イメージがひどい。って思ったのでした。

まあ、気になる人は両方読んでみて。

 

今日はここまで。2月は7冊だから、まとめは明日で終わります。