あてもなく

誰かへの手紙

名もなき家事と、魔法の杖



今朝、夫が出勤の準備をしていたら、履いていく靴下がないと言い出した。

タンスに入っていたのはビジネス用靴下がなぜか片っぽだけ。そして、あとは仕事用ではない色柄のソックスばかり数足。

そういえば、先日洗濯したときにビジネス用靴下が1足、片っぽだけになっているのには気がついていた。もう片方は洗濯待ちのカゴの下から発掘していた。夫が前回その靴下を使ったあと脱いでカゴに投げ入れる際、マトを外してしまったのが原因と考えられる。

わたしはちょっと大雑把に家事をする人間なので、洗濯待ちのカゴから洗濯機へ洗濯物を移す際に靴下が両方揃っているかいちいち確かめたりはしない。ざっと掴んで洗濯機に放り込むだけ。もし靴下が片方だけしか洗われていない場合、それは干す段になってやっと判明する。

洗濯を始める時点で洗濯待ちのカゴに入っていなかった洗濯物は、うちではたとえ靴下1足であっても次回の洗濯にまわる。これは仕方のないことだ。

というわけで、洗濯済みの靴下は片っぽだけとりあえずタンスに戻してあった。

それが一昨日のことだ。

さて、その翌日(つまり昨日)は天候の都合で洗濯を1日スキップしてしまったので、今朝の時点で夫のビジネス靴下は、2足+洗い損ねた片方が洗濯待ちのカゴに入っていた。

そして、タンスの引き出しには、一昨日洗って乾いた靴下の片割れだけが入っていて、他に使用可能なビジネス用靴下はない。

 

そこでやっと気がついた。

今、うちでは、ビジネス用靴下はたった3足をぐるぐる回して使ってたんだ、ってことに。

なんかちょこちょこ穴があいて捨てたりしてたような気はするけど、つい最近も新しいのを買い直したりしてたつもりだったので、そこまで靴下の数が減っているとは気がつかなかった。

 

わたしはやっぱり大雑把なので洗濯の課程で家族の靴下に穴が空いていることに気がつくことはほぼなくて「靴下に穴が空いてたら捨てる」っていうのは大抵本人だ。

一応それはわたしにきちんと報告されていると思う。

その報告を受けて補充の靴下を買ってくることもそういえばわたしの仕事なのだけど、今回ばかりはすっかり忘れてしまっていたようだ。

 

今日は、もうどうしようもないので、プライベート用の色柄ソックスの中から比較的地味な配色のものを選んで履いていってもらうことにした。もし気になるようなら会社の近くのコンビニなどで買って履き直してください、ということにして。

そして、わたしは今日早速買い物に行って補充の靴下を3足買ってきた。

これで、使用中の3足と補充3足あわせて夫のビジネス用靴下は6足になった。これだけ数があれば、少々のことでは靴下不足に陥らないはずだ。

今後は靴下の在庫にもう少しきちんと気を配っていきたいと思う。

 

と、長々と靴下のことを語ってしまったが。

 

家族が日常的に使用する衣類やその他備品について、ウチでは一切の責任がわたしに集中するようになっている。

話し合って決めたわけではないけれど、いつの間にかそうなっていた。

そして、家族の面々は、日頃から何も考えなくてもただタンスを開ければそこに使いたい物が入っていると思い込んで、すっかり安心しきって生活をしている。

 

ほかには、お風呂場のシャンプーやボディーソープなんかも、わたしが気付いたときに勝手に補充して勝手に買い足しているので、家族の面々にとってはほぼ「永久に出る魔法のボトル」みたいになってる。

(ま、たまに補充するのをすっかり忘れてて風呂場から「おかあさーーん!シャンプーがないよー!」って呼ばれることもありますが。年に1回ぐらい)

 

トイレットペーパーは常に「次の分」がホルダーの下にスタンバってるし、クルマのガソリンだって永久になくならない。魔法だよね、間違いなく。

あとねえ、クルマの定期点検もいつの間にか勝手に済んでたり、税金も勝手にちゃんと払われてたり。宅配便が届いたらちゃんと受け取ってあって、あら不思議、段ボール箱もどこかへ消えてるの。

 

これってね、自分でやってることだけど、よく考えてみると結構すごいことなんじゃないかと思う。

これが、もし「気がついた人が補充すること」というルールになってたとしたらどうだろう。ましてや「忘れると後からお母さんに嫌味を言われる」みたいな運用になってるとしたら。

めちゃくちゃ家庭内がギスギスして暮らしにくく感じるのではないだろうか。

本当は、家の中の物がおしなべて、使っても使っても減らない魔法のナントカであるならそれにこしたことはないんじゃないかと思う。

 

その仕事は魔法の杖を振るような素敵なものではなく、ひたすら地道で大変なことだけど、それはきっと家族を幸せにする大事な仕事だと思う。

 

でも。

もしもわたしがフルタイムで働いていたら、魔法の杖を振るかのような仕事は到底できない気がする。

ていうか、むしろ誰かに魔法の杖を振ってもらうぐらいじゃないと、フルタイムの仕事なんかできないんじゃないかと思う。

 

今日、たまたまこんな記事を見かけてそう思ったんだよね。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

3時間睡眠になっているのは、きっと、フルタイムで働きながら魔法の杖を振ろうとしている人たちだ。

 

悪いけど、フルタイムワーカーは魔法使いを兼務することはできない、と思う。

記事にもあるとおり、下手すりゃ死ぬのよ。

 

そもそも家事というのはそれだけでフルタイムの仕事に匹敵するほどボリュームのある仕事なのに、それが一般にちゃんと認知されていないことが問題なのかもしれないなと思った。だから、安易に「両立」なんてしようとしてしまう人が出てくる。命がけになるのも知らずに。

 

わたしも「魔法の杖」なんて言い方をしてしまったけど、要は、家事って、やってる本人以外にはいつの間にか勝手に済んでるだけの、まぼろしみたいな仕事だからだ。

それらを魔法のようにやっつけて、秘伝にしてしまった古い世代の主婦たち(わたしもギリギリそこに入る)にもその責任はあるのかなあ、なんて。

 

この大変さと大事さを世間にわかりやすく広めて、誤解を解いていく。

もしかしたら、それがこれからのわたしたちの使命なのかもしれないなあ。

と、やや話がでっかくなりましたが、そんなことを思いました。