お店で接客をしていて最近気になっていることがあります。
それは、お客さんがかぶっている帽子のこと。
つばの部分に丸いピカピカのシールが貼ってある帽子をかぶっているお客さんがとても多いのです。気をつけて見ていると、つばの上面に貼られているもの、つばの裏側に貼られているもの、いろいろです。
ピカピカのシールのピカピカぶりといったら、時に照明を反射して目に残像が残ってしまうほどです。時には印刷が剥げるほど年期が入ったシールをきっちり貼ったままの人もいて、決して剥がし忘れなどではないこだわりの強さを伺うことができます。
一体あのピカピカのシールは何なんだろう?
と思ってネットで検索したらあっという間に答えが見つかりました。
シールを剥がさない理由は、特にキャップの機能や品質などとは関係ありません。単に、剥がさない方がカッコ良い、剥がさないことでカルチャー的な側面を主張できるという価値観があるためです。
その背景には、主にブラック・アメリカンの文化(ブラック・カルチャー)や習慣が影響しているとされます。彼らはもともと貧しい家庭が多く、本物のニューエラのキャップを入手することが簡単ではありませんでした。そこで、本物の印であるシールをそのまま貼っておくことで自分が偽物をかぶっていないことを証明していたのです。
このシールは「ニューエラ」というメーカーのキャップに付けられているもので、モデル名やサイズなどが表示されたシールです。
多くのアパレル製品に添付されているいわゆる「新品タグ」と同じ位置づけのものだということがわかりました。
しかし、上記の理由からシールを剥がさずに着用する人が非常に多いのだそうです。
つばの裏側に貼られているのは、それが最初からつばのデザインを邪魔しないように裏側に貼られている場合と、「シールは剥がしたくないけど、あまりシールを目立たせたくないな」と考えたユーザーが自分で貼り替えた場合など様々みたいです。
わたしの身近にはこういうタイプのファッションを好む人がいなかったので、勉強になりました。
そうやって知識を仕入れた上でテレビを見ていると、芸能人の方もシール付きのキャップをよくかぶっていることがわかります。
そもそもメジャーリーグベースボールの公式キャップのメーカーになったところから有名になったブランドらしく、野球チームのロゴが入ったキャップの種類が豊富にあります。
先日テレビで見かけた芸能人の方は懐かしの近鉄バファローズの球団ロゴが入った復刻版のキャップをかぶっていました。そのときは、シールよりも前にそのロゴに目を引かれました。ちょっといいなと思って調べてみましたが、なかなかの人気商品のようでアマゾンでは完売です。
(上手にリンクが貼れませんでした。ごめんなさい)
ちなみに、野球選手がユニフォームとしてかぶっている場合は全員シールを剥がしていますね。当たり前かw
というわけで、何事にもそれなりに訳があるということがわかって大変興味深いことでした。
もしご家族の方が新品タグっぽいシールが貼りっぱなしのキャップをかぶっていても、そういうファッションなので、剥がしてしまわないように気をつけましょうね。