あてもなく

誰かへの手紙

パートさんが姿消す季節 わたしの職場でも

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わたしの職場にも同じ風が吹いています。

 

www3.nhk.or.jp

配偶者の収入などによって、税の軽減措置がなくなったり、社会保険料の負担が生じたりする、いわゆる「103万円の壁」や「社会保険の壁」。

年収が確定する年末を控えて、働く側、雇う側、双方がどう対応するか頭を悩ませています。ことしは例年にもまして、悩みは大きいようなのです。

 

 わたし、以前は「ポンコツ過ぎて希望通りシフトに入れてもらえない」とぼやいていましたが、最近なんだかやけに希望通りにシフトに入れるなあと思っていたんです。

それで、先日マネージャーさんと雑談する機会があり、何気なく「最近シフトをカットされなくなってありがたい」と話したところ、

「(ベテランの)AさんやBさんが扶養の関係で勤務調整してるからね~」

と言われました。

AさんやBさんは年初からバリバリ働いていたため、もう今年の年収がほぼ扶養の上限いっぱいなんですね。

なるほどー。わたしが役に立つようになってきたからってことではなかったのね。

 

年末に勤務を調整するということは

扶養とひとくちに言ってもいくつかの「壁」があるのは有名な話です。

・所得税の「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の壁

・社会保険(年金・健康保険)の「扶養」の壁

・夫の勤め先独自の「家族手当」支給基準の壁

 

社会保険の「扶養」の壁は、年収ではなく月々の収入によって判定されますので、年末に収入を抑制してどうにかなるものではありません。よって、年末に慌てて出勤を減らすということは、社会保険の壁を意識してのものではありえません。

では、やはり所得税の配偶者控除の壁を意識してのものでしょうか。

しかし、その配偶者控除の壁、今年から150万円になりました。150万の壁は、社会保険の壁より高いので、社会保険の壁を守ることを月々意識してさえいれば何も気にすることはありません。

 

ということは、年末に姿を消すパートさんの多くは、夫の勤め先独自の家族手当支給基準の壁を意識しているということになるではないかと思います。

実際以前の勤め先などで同僚から聞いた話では月1万円か、多いところでは5万円ほど支給されている会社もあるそうで、確かにそれはかなり大きな金額と言えるでしょう。

 

社会保険の「壁」についておさらい

社会保険の壁は主婦自身が勤めている先の企業の規模などによって違いがあります。

 どっちの壁が適用されるかは、勤務先の企業規模によって違います。その辺は下記サイトに詳しく描かれています。

 

sharescafe.net

労働時間や収入など次の5つの要件すべてに該当すると、パートであっても勤務先で健康保険と厚生年金(あわせて社会保険)に加入することになります。

1. 労働時間が週20時間以上
2. 1カ月の賃金が8.8万円(年収106万円)以上
3. 勤務期間が1年以上見込み
4. 勤務先が従業員501人以上の企業
5. 学生は対象外

 ポイントは、「主婦自身の勤め先」というところです。収入がその壁を越えたとき、夫の社会保険の扶養から外されるというよりは、「自分自身が加入者にならなければいけない」ということです。

そして、前段でも書いたとおり、社会保険の加入要件は月収で判断されるので、月収が常態としてその一定の金額を超えればその時点から、主婦自身の勤め先の社会保険に加入することになります。

具体的にどういうことが起きるかというと、お給料から社会保険料が2万円前後天引きされるようになり、今後もし医療機関にかかることになれば夫ではなく自分の勤め先の健康保険証を持って行かなきゃならなくなるってことです。

つまり、年末に慌てて勤務調整してクリアできる壁ではありません。毎月ちゃんと意識しないといけないのが社会保険の壁です。

素朴な疑問というか感想というか

長々と説明してきましたが、つまり扶養の「壁」っていうのはそういうもんです。

基本的には、毎月社会保険に加入しないで済むようにさえ気をつけていれば、そんなに簡単に超えるようなものではないはずです。

 

採用の段階で、働く側は「扶養を外れないようにして働く」と宣言しているはずだし、会社もそれを承知で雇っているにも関わらず、何で年末になってこんな騒ぎが起きるんでしょうね。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181029/K10011690661_1810292034_1810292035_01_04.jpg

 

そんなの、初めからわかりきってたことじゃないですか。

時給だってきちんと決まっているんだし。

 

例えばわたしは神奈川県の最低賃金で働いているので時給983円ですから、103万円を超えないように働く場合、年に1047時間→月で割ると87.25時間→1日6時間でシフト入れるとしたら月14.5日→つまり最大でも週に3~4日しか働けないわけですよ。

また、店の営業時間から逆算してみましょう。

1日16時間営業で年中無休でやってる店なので、営業時間は年に5,840時間。

全部の時間帯を5人の従業員で回すとすれば、延べ29,200時間。

仮に従業員全員が年に1047時間しか働けないバイトだとすると、そういうバイトが全部で27人必要ってことになりますよね。その辺ちゃんと考えて人を確保できているかどうか?

 

実際にはバイトっていうのはみんな主婦だったり学生だったりで自分の本業最優先で働くこと前提に就業しているので、人により都合により月87.25時間も働けない場合もある。

また、同じ時給なら新入りのポンコツよりベテランに来てもらいたいというのもあるし、そんなこんなでじわじわと前倒しに今年働ける分の時間を侵食されてしまうバイトが生まれてしまうんですね。

「今日は人が足りないからヘルプ」だとか「本当は17時上がりだけど人が足りないから1時間延長」だとかで、頼りになる人ほどどんどん勤務時間が延びてしまう。帰り間際に仲良しの同僚から「自分、これから1時間ワンオペなんです(泣)」なんて話を聞いてしまったら「いいよ!次の人が来るまでわたし残るよ!」なんてね。

つい男気を発揮してしまうのもわかる気がする。

 

本当はそんなことが起きないように管理するのがマネージャーの仕事なんですが、マネージャーもバイトだったりするしねw

 

みんな目先のことだけで大変です。

それでも12月になればみんな戻ってくるから、そうすると喉元過ぎれば熱さを忘れるでまた元通りになっちゃうんですよ。いやはや。