あてもなく

誰かへの手紙

コロナ禍によってバランスが崩れた世界で



 

コロナの影響で、社会の人々の動きや家族の関係が大きく変容したことによって自分の居場所や存在価値がわからなくなってしまった人って、意外と多いんだろうなと思う。

 

多くの人は元々、24時間365日すべての時間を自由に、自分の好きなことの為だけに使えていたわけではない。自分のやるべき仕事とやりたいこと好きなことをバランスよく配置して、我慢と気分転換をしながら自分らしい生き方を模索してきたと思うんだけど、それらのバランスが一気に崩れたわけだから。

 

そんな中で見かけた二つの対照的な記事。

 

topisyu.hatenablog.com

 

anond.hatelabo.jp

 

前者の方は、扶養内のパート勤務の兼業主婦。夫が在宅勤務になったことで、家の中で自分だけの時間が作れなくなってしまったことがストレスだと言います。在宅勤務になった夫が家の中で何もしないこともストレスで、仕事先から家に帰るのも憂鬱である、というようなことが書かれています。

これまでよく目にする「在宅勤務の影響」といえばこっち寄りの意見が主でした。

 

ところが、今日見かけた後者の方の記事。これは結構わたしには「目から鱗」という感じだったのです。

 

後者の方は、フルタイムで働く既婚女性。以前から夫とは家事を分担していたのが、夫が在宅勤務になったことで、夫がほぼすべての家事をやってくれるようになった。夫の収入は以前のままで、妻である自分が働かなくてもなんとか家計は成り立つレベルだと。家事も子供の相手も夫がやって、稼ぎも自分より夫の方が多い、となると、一体家庭において自分の存在意義って何?!とわからなくなったってお話。

 

前者は、夫が家で仕事をするようになって自分が自由に振る舞えるスペースや時間が奪われた。夫が家事を全くしないこともストレスである。

後者は、夫が家にいて仕事だけでなく家事もしっかり引き受けて大活躍してしまうので、家庭内に妻の居場所がなくなった感じがして不安である。

 

どちらも、コロナ禍によって家庭内のバランスが崩れたことによる苦しさであり、方向は真逆だけれど、どっちもなかなかしんどい状態だなあと思います。

わたしはどっちかと言えば前者の奥さんの気持ちの方がわかるかなあと思ったのですが、もし我が家の夫が後者のお宅のように料理も洗濯もわたしより上手でなんでもできる人だったら、どうだろう。夢のよう? いや、やっぱり同じように「わたしって一体」ってなってしまうような気がするのですよねえ。

 

後者の方の場合は、「専門の技術職としてフルタイムで働いている」という話です。

家族以外にも、仕事を通じて多くの人との繋がりの中で、色んな人から必要とされて生きている人というイメージで捉えられるので、わたしのように職のない主婦からすれば、むしろそれで「居場所」の問題はある程度解決できているのではないかと思うのですが、当人としてはやはり「家族に必要とされていない」という感覚がどうしても納得いかないのでしょうね。

 

これらの事象って、結局、降って湧いたようなことじゃなくて、たまたまコロナのことがあったから浮き彫りになっただけで、以前からその家庭には問題があったということなのだと思います。

とはいえ、全く問題のない家庭なんて、そうそうないと思うのです。

どこの家庭だって、そこそこポンコツ車ですよ。

だって、もとは他人同士だった二人が、それぞれ別々のこと考えながら、長い長い年月かけてずっと走ってきたんだから。

 

ただ、ポンコツのクルマでも、いつもと同じ道を同じように走ってる分にはどうにかこうにか走るし、ちょっとした故障であれば自分でちょいと治せちゃったり、機嫌を損ねない乗りこなし方もなんとなくわかってるもんなんですが、普段とちょっと違う目的地に向けて知らない道を走るような場面では、どう乗ればちゃんと走るのかコツもわからず、その結果今までに経験したことのない場所に故障が生じて途方に暮れたりしてしまうことがあります。

 

コロナ禍の世界というのはまさに、普段とは違う目的地に向かって、今まで走ったこともないようなデコボコ道を行くようなものだと思います。

そんなの、ポンコツ車には荷が重いわよー。

それも、ほんの1ヶ月や2ヶ月の辛抱かと思ったら、どうやらこの先何年か、もしかしたら一生続くかもしれないっていうんだから、みんな多かれ少なかれ絶望すると思うんですよ。

 

二つの対照的な、だけど実は同じ事を言っているような記事から、そのようなことを考えました。

この機会に、以前からあった家庭のポンコツ具合を直視し、現状を良くするために何か工夫ができるなら、どちらの奥さんも、今の絶望から立ち上がることができるかもしれませんね。

 

わたしも、(家庭のほうはまずまずうまくやってるものの)コロナ禍の世界でバランスが崩れてしまったうちのひとりですが、多分、最初から問題がなかったわけではないです。どう考えても。

だとしたら、今回は「コロナのせい」と称して、膿出しできたのは良かったのかもしれないですね。(←バイトを辞めた件を言ってます)

 

その先のことは、ゆっくり考えましょうか。