誰もこんな話を本気にしたりしないよな~、とは思いつつ、今日はあまり書くことがないのでツッコんでみたいと思います。
なんというか、悪意を感じる伝え方です。
夫が仕事の合間に安い昼飯を食べている一方で、妻はレストランで優雅なランチを楽しんでいる! なんて、テンプレート的に対立煽る言い方です。
でも、働く人が1時間の昼休みに食べる普段の食事と、主婦が平日に友達と出かける「ランチ」って同じものでしょうか。
働く人が昼休みに食べる食事と比べるのであれば、主婦の昼食も、普段のチンした冷凍ご飯と昨日の夕飯の残り物とで済ませるコスト100円未満の食事を基準にしていただかないとフェアではないと思います。
月に20日ある平日のうち19日を家の100円メシで過ごして、1日だけ友達と3000円のランチに出かけたとしたら、1日の平均は、4900÷20=245円。
「平均」で比較するのであれば、こちらは1回245円で申告しないときちんとした比較になりません。
パートで働いていたときの昼休みの食事といえば、わたしの勤務先には社員食堂があり、1食500円以内で食べることができました。家からご飯だけ持参すると購入するのはおかずだけで済むので300円台で食べられました。もちろん、残り物で弁当を仕立てていけば100円で済ませることだってできます。
これが働く人の昼食です。ですが、主婦はそれは「ランチ」とは呼びません。
そのあたりの、男女の風習の差も考慮せず「ランチ」という言葉を使われては、正確な調査結果にならないのではないでしょうか。
ちなみに、この調査については、明治安田生命のサイトのニュースリリースにPDFで公開されています。
この中でも、”妻のランチ代は「1,263円」と、なんと夫の約1.6倍!”と大々的に見出しをつけて書かれていますが、一方で「お小遣い」の項目を見るとこのように書かれています。
全体の月平均額は、昨年から1,955円増加し「27,037円」となりました。
夫婦別では、夫は昨年から2,935円増加し「34,699円」、妻は952円増
加し「19,376円」でした。
夫は、妻の平均より約15000円も多くお小遣いをもらっているという結果です。
もし夫が望むのであれば、平日に毎日1500円のランチを食べに行ったってお小遣いは余りますよ。妻のお小遣いだと毎日1500円は厳しいですね。
主婦のランチ代は交際費です。
主婦は夜は家に帰って家族の食事を作らなければならないので、昼のうちに友人と会って話をするのです。
「ちょっと飲んで帰るから、夕飯いらないわ~」ってわけにもいかないのでね。
友達とゆっくり話をするのに牛丼屋ってわけにもいきません。それでも、ちょっと落ち着いて食事ができるお店でのランチは、3000円だったとしても夜に居酒屋で飲むよりは全然安上がりなんじゃないでしょうか。
全体的に見て、妻の立場からすると悪意が感じられる見出しが目立つ資料です。
夫のお小遣いが妻より15000円も多いことは見出しにしないで、
「家計を夫が握っている割合はわずか17.2%! 」
「妻のへそくり金額は夫の約1.5倍! 40代ではなんと約4倍、50代では約2.3倍の開きが!」
などと。
一体、誰向けの資料なんでしょうね。