あてもなく

誰かへの手紙

自分探しの果てに よくわかんないけど「地域の活動」に飛び込んでみる

「人生迷子」の結末について、そういえば最後まで書ききれていなかったので、ここらでちょっとまとめておきたいと思います。

 

先日までの「迷子プロセス」で長々と書いた通り、本を読んだり本の中で勧められていたワークをやってみたりしたお陰でだんだんわかってきたのですが、わたし自身には、やっぱり、特にすごくやりたいことがあるわけではないことがわかりました。

「女性起業」や「やりたいこと」の本が目指すゴールというのは、自分の中にセールスポイントを見いだして、それを使って社会の役に立つ(=お金を稼ぐ)ということになるのですが、そこまで考えると途端に気が重くなる自分がいました。

そんな風に尻込みしてしまうのは、わたしが優柔不断で意気地無しだからなんだろうと思って、散々背中を押してもらうために起業相談のカウンセラーに話をしたり、起業のススメ本なんかも読んだりしたんですけど、結局そういうことではなくて、本当にそれはやりたくないってことなんだろうなっていうこともだんだんわかってきました。 

 

わたしは、社会という「人々の輪」の中で、たまにちょっと役に立って「ありがとう」って言われたいだけなんだと思います。

今は夫や子供の裏方として、間接的には社会の役に立つことをしています。それだけでも十分大変だしやりがいはあるのだけれど、あと少し余った力を使って、直接「わたし」の顔で社会に関わることができたらなあ、って。

 

ただ、今のまま口を開けて待っていても、わたしが直接社会に対して関わる機会は訪れません。

わたしが最近感じていた焦りというのは、結局、家庭以外に活動をする場がないということへの不安でした。

 

大学に行きたいかもとか、働きに行きたいかもとか、起業をするべきかとかって、結局その「社会との関わり」が欲しいという欲求を満たしたいためであって、何か本当に学びたいことややりたい仕事があるわけじゃない。

一方で、大学とか職場っていうのは、基本的には何かの目標を達成するためにある場所なので、その「目標」なんかにはあまり興味が無くただ定期的に出席してそこにいる誰かとなんとなく関わりたいだけのわたしが、そのような真剣勝負の場でありのまま受け入れられていくのは難しいと思うし、わたしも受け入れて貰う為に「みんなと目標に向かって頑張りたい人」のフリをするのにすぐに疲れてしまうだろうなという気がします。

 

 

それよりも、何をやるかはさておき、家庭以外のところで定期的に通えるような居場所を見つけて、気の合う誰かと一緒に軽い作業をしたり、合間におしゃべりしたり、そういうことができればいいのになあ、と。

働くとか学ぶ以外に社会と関わる方法はないものでしょうか?

 

そんな風に悶々と考えていたある日、用事で出かけた役所の庁舎の中で「地域活動支援センター」というコーナーを見つけたんです。

 

センターの中には、いろんな団体が企画している勉強会やイベントの告知ポスター、メンバー募集のチラシ、団体の活動を報告するパネル展示など、いろんなものが掲示されていました。また、カウンター内には役所の職員が常駐しており、地域活動に関する相談を受け付けていました。

センター自体が主催となって、なにかやりたい住民と実際に活動している団体を繋ぐイベントのようなものや、新しい団体を作りたい人向けにスタートアップのノウハウを教えるセミナーなんかを開催したりもしているようでした。

 

 

要は、わたしが住んでいる地域には、文化・スポーツ・福祉などいろんな方面で自主的に活動している地域住民のグループというのがたくさんあって、そういった活動を自治体がサポートする仕組みがある、ということがわかった、ということです。

(おそらくどこの自治体にも多かれ少なかれそういう制度はあるんじゃないでしょうか)

 

例えば地元をみんなでウォーキングするサークル、地元のおばあちゃんに手作りの布おもちゃの作り方を教えてもらうサークル、手話のサークル、外国から移住してきた住民を言語の面でサポートするサークル、不登校の子供たちの学習を支援するサークル、後継者がいない農地を借りて農業しているサークル……等々、趣味と言えば趣味、仕事と言えば仕事みたいな(でもお金にはならないような)活動をしている人たちが結構いるんですね。

ただ、実はわたしは数ある活動のひとつひとつにはそれほど強い関心を持てなくて、コレだ!というサークルを選ぶまでには至りませんでした。

なんとなく、元々あるコミュニティに後から入っていくことに対する抵抗も多少感じますしね。

ただ、わたしは、企業でもなく学校でもなく、ただ「自主的な活動」というゆるやかな目的で繋がって活動している人々も沢山いるんだ、というところには大いに希望を感じました。

活動ひとつひとつはよくわかんないけど、わたしも、何かそういう自主的な繋がりの中でなら居場所を見いだすことができるのではないか、と。

 

そうして、コーナーの中をあれこれ見て回っていたところ、沢山ある告知の中に「街の活動リーダーを養成する」とかいう講座の案内を見つけました。

それは、特定の活動をしている団体のものではなく、支援センター自体が主催する講座でした。

地域の活性化とか街おこしの専門家を講師に迎えた参加費用無料の講座で、地域の声を聞いてニーズを掘り起こし、イベントや講座をイチから企画し、講座の最後には、本当に参加者を集めてイベントを実行するところまでを体験するという内容。

数名のグループに分かれてチームで企画とか考えるみたいです。

既存の団体に入っていくのにちょっとハードルの高さを感じているわたしにとっては、講座で出会った新しい人間関係の中で新しい催しをイチから作っていくというのがとても合っているように思えました。

正直、告知の内容は漠然としていて実際のところそれが何になるのか、狙いは何なのか、わかってない部分も大きいのですけど、どっちみち無料だし、ほかにやることもないんだし、マイナスになることはひとつもないように思えたので、早速その講座に申込むことにしました。

現在、開講待ちです。

また実際に講座が始まって、いろんなことがわかってきたらこちらにも書いていきたいと思います。

 

働くとか学ぶ以外で社会と繋がっていく方法、それが本当にあるのだとしたらそれはどういった形のものなのか。

わたし、ずっとそんなものは「ない」って思ってた。だから見えてなかった。

自分が本当にやりたいことを突き詰めてみた結果、今まで「ない」と思っていた世界に光が当たったことは大変興味深いことです。