あてもなく

誰かへの手紙

尊敬する人は誰ですか?



自分探し迷子中に読んでた本の中に、

「尊敬する人」を思い浮かべ、その人の特徴を整理すると、自分の理想ややりたいことが見つかるかも!

というのがあったので考えてみたのだけど、わたしにはそもそも「尊敬する人」っていなかった。

というお話。

 

「尊敬する人」がすぐに思い浮かぶ人と、難しい人、人間には二種類いる気がする。

啓発本を書けちゃうタイプの人は、「尊敬する人」がパッと浮かびがち、だと思う。

2冊読んで2冊に書いてあったので、確信を深めております。(偏見とも言う)

もうひとつ「人生を変えた一言」っていうのも、あったっけ。これも「尊敬する人」と似てると思う。

ある人にはあるけど、無い人にはとことん無いんじゃないかな。

 

尊敬する人、人生を変えた一言、そういうものは自分の理想(やりたいこと、なりたい姿)を色濃く反映するというのはよくわかる。

逆説的に言えば、自分のやりたいことやなりたい姿がぼんやりしているわたしには、「尊敬する人」も「人生を変えた一言」も、なくて当然かも。

ってちょっと思った。

ただ、そこで諦めるのはちょっと悔しい。

っていうか、啓発本が勧める筋書きに乗っかって進んでいきたいなら、序盤も序盤の尊敬する人探しでつまずいてる場合じゃないのよ。

 

「尊敬する人」は、実在の人間で難しかったら漫画や小説のキャラクターなんかでもいいよ、って書いてあるのを見て、すごく考えた結果、ようやくチラッと浮かんだ顔がふたつ。

 

一人目・あかりさん(羽海野チカ「3月のライオン」・川本あかり)

アニメ化・映画化もされた名作ですが、わたしは原作の漫画を読んでいます。

突然の事故で両親を亡くした三姉妹の長女で、年の離れた妹たちを母親代わりになって育てているお姉さん。青春を全て家事育児に捧げて必死で生きてきたあかりさんには、彼女自身の「夢」や「やりたいこと」を考える時間がなかった。

妹たちが大きくなった時、あかりさんはどうなっちゃうんだろう、何も残らないんじゃないかって周りの人たちは結構心配してるんだけど、あかりさん本人は二人の妹たちに愛情を注ぐ生活の中に幸せを見いだし、明るく生きている。

妹たちだけでなく、物語の主人公である零という少年を含め周りの人たちを温かく包み込むような光を発散するあかりさんは、その「あかり」という名前に最もふさわしい人だなあ、と思う。

二人目・ダイキチ(アニメ「うさぎドロップ」・川地大吉)

漫画が原作で、映画化もされたっぽいけど、わたしが見たのはアニメのみ。

ダイキチはこのお話の主人公で、亡き祖父の隠し子(6歳)を引き取って育てることになってしまった30歳独身男性。

ずっと一人暮らしで仕事中心に生きてきた人が、突然子供を育てることになって直面する戸惑いと心の変化を追うことで「子供を育てることの大変さと喜び」を丁寧に描いた作品です。(アニメのちょうど真ん中、第5話あたりで保育園の卒園式のシーンがあるのですが、珍しくアニメでボロ泣きしましたわ)

このダイキチが、多分並みの「正義漢」とか「いいヤツ」レベルじゃないお人好しなのだ。

そもそも本当は育てる義務のない子供を引き取るところから始まって、その子供のために職場で残業のない仕事へ配置換えを願い出たり、保育園の繋がりで出会った近所の人たちにもとことん親切だし、とにかく全力で周囲の人の力になろうとする聖人。

だけどなんか全体的に飄々としてユーモアもあって、全然嫌味じゃなくて。

この人も、先に紹介した「あかりさん」と同じで、自分の損得なんかより周囲の人たちを温かく照らす光を放つ人なんだよね。

(実は、原作にはアニメ化されていない続編があるが、実はこの続編、ちょっとネットで調べたところ、前編の良さを根本的にひっくり返してしまうような展開になっているっぽいため、わたしはアニメになっている部分のみで評価しております)

 

と、二人の登場人物を紹介したところで。

 

この二人の「尊敬する人」像から導かれるわたしの理想像とは

自分のことより周囲の人たちの力になることに喜びを感じる人

周囲を温かく照らす人

 

ってことになると思う。

 

わたしは、自分の夢とかやりたいこととか、自分自身の成功よりも、周りの人たちを幸せにする事に幸せを感じる人でありたい。のだと思います。

もちろんそれは「理想」であって、わたしは、自分の事より他人を優先しなければならない場面で「なんでわたしばっかり」って僻むような気持ちが芽生えたりするし、自分が後回しになる生活にストレスを感じ、うまく心を保てなくなってしまう時もある。

 

だけど、やっぱりわたしは「自分の時間を全て使って自分の夢に挑戦する」「自分自身が輝くために生きる」みたいな日々を求めてはいないようだし、それでは本当の意味で幸せな気持ちにはなれなさそうだなと思う。

 

と、まあそんな感じで。

最初は「尊敬する人」って言われて、全く誰の顔も思い浮かばないことに絶望しかかったんだけど、どうにか思い浮かべた人たちから分析するとやっぱり自分の考えがくっきりしてくるもので。

啓発本ってのもなかなかどうして良く出来ているもんだと感心したのでした。