あてもなく

誰かへの手紙

「諦めない」「粘り強い」ことが一概に美徳とは言えなくなる時代



今日は「諦めないこと」について思ったことを書きます。

 

togetter.com

 

今月9日からの休業を決めたスターバックスコーヒーの最終営業日、「最後の1杯」を求める人々の行列ができてしまったという話。

ちなみに元になったライブドアニュースの記事は削除されている。

同様の記事が掲載されていたExciteニュースやスポーツ報知のサイトでも削除されているので、なにかの意志が働いたのかもしれない。

ま、これが「駆け込み」であったのかどうか、非難すべき行動なのかどうかはともかくとして。

これを見てちょっと思ったことがある。

 

コロナ以前の時代には、

 

人気のタピオカを買うために3時間並んだよ。

最新アトラクションに入場するために5時間並んだよ。

 

なんてことが自慢になることもあった。

もちろん、聞く側は「ようやるわ」と半分ぐらいは呆れていたりするのだけれど「欲しいものを手に入れるためには絶対に諦めないんだ」というその意志の強さや根性には多少の敬意を抱かざるを得なかったし、実際粘った者にしか手に入れられないスペシャルな物っていうのも、過去にはたくさんあったのだ。それが出来ない人は、指をくわえて見てるしかなかった。

 

しかし、今では欲しいもののためにがんばって並ぶという行為が、「残念な行為」だと非難されるようになってしまった。

コロナによって世間の価値観が変わってしまった顕著な例のひとつだと思う。

 

ずいぶん昔のことになるけれど「負けないこと・逃げ出さないこと・投げ出さないこと・信じ抜くこと」が大事だと歌った曲がめちゃくちゃ流行ったよね。

この歌が流行ったことでもわかるとおり、この世の中にはずっと「あきらめない」「最後までやりぬく」ということを尊ぶ精神が存在してきたと思う。

一度始めた習いごとや、勉強や、部活を、そうカンタンに投げ出してはいけない。ましてや仕事をコロコロ変えるなんて絶対おかしい。合わないなと思ってすぐに辞めるような人はこらえ性のない「ダメ人間」とされて、履歴書に短い職歴が並んでいるような人は「なにか問題があるのではないか」と勘ぐられ、敬遠されてきた。

 

だけど、今は状況が変わって、続けたくても続けられないことだらけになってしまった。折しも今は新生活が始まる4月であるが、先週働き始めたばかりの店が、営業自粛要請で開店できなくなってしまったというような人が世の中にたくさんあふれている。

そんな中「最後までやりぬく」ことの尊さを語っても、もはやそんなの絵空事ではないか、と感じている人も多いのではないだろうか。

 

これからは、欲しいものを手に入れるまで諦めない強い意志や粘り強さよりも、「諦めが良い」ことや、「状況を見てサッと退くことができる」ことの価値が見直される時代がやってくるのかもしれない。

なんていうのは、わたし自身、粘り強さとか我慢強さの勝負になるとほぼ誰にも勝てないので、そういう風にルール変更されるとちょっと自分の人生の流れが変わるかもなってかすかな期待を感じているだけなんですがw

 

今後どうなっていくかはわからない。

だけど、こういう時って、世界全体の価値観みたいなものが大きく変わらざるを得ない時期なので、その中では今まで自分の弱点だと思っていたものが長所になったり、苦手意識に救われたりすることがあると思う。

なので、それをよく見極めて行動すれば、案外悪いことばかりではないし、この先の世界で自分がどう生きれば良いか考えるのに役に立つのではないだろうか。

そんなことを考えました。