あてもなく

誰かへの手紙

奥が深すぎるゴミ分別の話

ゴミ分別というのは非常に難しい。

自治体によってもルールが様々なので、きっとわたしがこれから書くことと「同じ!」って人は少ないだろうと思うが、とにかく「難しい」ということを言いたいのでウチの自治体の例でまとめてみる。

 

家庭ゴミと事業系ゴミ

そもそも、家庭で出るゴミと会社や店で営業中に出るゴミでは、回収のルートもお金の出所も全く違っている。

家庭のゴミは無料で(というか税金で)自治体が回収し焼却またはリサイクルするが、事業で出るゴミは自治体ではなく指定業者が有料で回収する。

分別のルールも、家庭ゴミと事業系ゴミでは違っている。

わたしが住んでいる地域で、特に違いが顕著なのは「プラスチックゴミ」の扱いだ。

 

家庭ゴミの場合

「プラスチック容器包装」を分別して回収する。

「容器包装」というのは、商品を入れたもの(容器)や、包んだもの(包装)であって、中身の商品を使った後に不要となるプラスチック製のものを指す。
そして、次が大事なポイントなのだけど、素材がプラスチックでも、プラスチック製品や購入した商品は普通の「燃やすゴミ」になる。

 

たとえばわかりやすい例として、パンとかお菓子が入ってた袋はプラスチック容器包装なので「プラ」の回収に出す。

だけど、自分で購入して食品を小分けにするために使った袋(ジップロックみたいなやつ)を使い終わって捨てる時は、「燃やすゴミ」になる。

 

つまり、素材で分けるというよりは、誰がどういう目的で使用したかで分類する。

なんでそういうことになるかというと、リサイクルにかかるお金の出所が違うからだ。

 

たとえばプリンのカップ。これは、プリンを製造販売している企業がカップのリサイクルにかかる費用を負担している(義務を定めた法律がある)。だから、プリンのカップは「プラスチック容器包装」として集めてリサイクルをする。

だけど、小分け袋(ジップロック等)を製造して販売している会社には、その商品自体をリサイクルするためにかかる費用を負担する義務がない。だから、リサイクルにかかる費用を負担する人がいない→普通に燃やすしかない。

 

ちなみに、コンビニでプリンを買ったときにつけてくれるプラスチックのスプーンは、どっちに入ると思います?

これは、容器包装ではないので、「燃やすゴミ」です。

ややこしいよね!

 

もし、あなたのお住まいの地域の自治体が家庭ゴミのうち容器包装以外のプラスチックもプラスチックゴミ(廃プラ)として無料で回収してリサイクルしているとしたら、それは、自治体が税金からその分のリサイクル費用を負担しているということだ。

逆に言えば、ウチの市は貧乏で容器包装以外のプラスチックのリサイクル代をまかなえないから、燃やしている。そういうことです。

なにしろ、中学で学校給食を実施できないぐらい貧乏ですからね。

 

事業系ゴミの場合

家庭ゴミとは違って、プラスチック製のものはすべて「廃プラ」として扱われる。

事業系ゴミに関しては、かかる費用を事業者が負担することになっているので、リサイクルの費用もそこから出る。

だから、容器包装であろうが容器包装でないプラスチック製品であろうが、プラスチック製ならリサイクルへ回すことができる。

こっちのほうは、とてもわかりやすいですね。

 

ファストフード店できちんとゴミが分別されるわけがない

というわけで、ゴミの分別のルールは結構複雑だ。

地域によってもルールが少しずつ違っているので、企業側だって、全国展開するチェーン店で統一したマニュアルを作ることが難しい。

ましてや、お客さんが自分で正しくきちんと捨てられるわけがない、と思う。

だって、そもそもお客さんは事業系ゴミとか家庭ゴミとか知らないじゃん。

ていうか、店員でも知らない。わたしだって、よーく調べてやっとここまでたどりついた。

 

それでも、店の形態上ゴミ捨てはお客さんにお願いするしかない。

これは、ウチのチェーンに限ったことではなく、どこのお店もみんなそうだ。

だから、ウチの店のゴミ袋だけが特別に混入が多いわけではないと思うんだよね。 

ウチの店に限らずたくさんあるファストフードのお店や、フードコートなどでは、どこもみんな、店員がゴミ袋の中身をさらってから集積場に出しに行っているのだろうか?

そんな話は聞いたことがないんだよな。

ウチの店だってずっとやってなかったわけだし……。

 

と、少しだけこの話、続きがあるのだけど、長くなってきたので今日は一旦この辺で。。。