あてもなく

誰かへの手紙

始まりは、いつも近所のスーパーから

最近は、家から一番近い地味なスーパーにしか行かなくなった。

以前気に入って通っていた、クルマでちょっと走ったところにある激安スーパーは、混雑しているうえ、最近は欠品が多く、不便に思うことが多くなったからだ。

 

最近よく行くスーパーのことをわたしはいつも「地味なスーパー」と表現するが、本当に地味なスーパーと表現するしかないような静かなスーパーだ。

地味なスーパーでも、以前は月曜日を「スーパーマンデー」と称して野菜の特売を行ったり、紙の台紙に来店した数だけハンコを集めて月末に金券がもらえるという「スタンプラリー」などを開催したりしていたが、コロナ時代になってからは一切のキャンペーンを中止してしまった。

お客さんには来てもらいたいけど、お客さんが集まりすぎるとマズいのだ。

店内ではずっと「混雑する時間帯を外しての来店」と「少人数での来店」をお願いするアナウンスが流れている。

 

外出自粛が最も盛んに言われていた頃は、この地味なスーパーですら普段より人出が多くなり、なかなかの緊迫感があった。

客ひとり当たりの購入店数も多めになって、会計にも時間がかかっていた。

しかし、緊急事態宣言も解除され人々の行動も落ち着いたため、6月に入ってからはすっかり店の様子も元通りになった。

本当に、静かで人がいない「地味なスーパー」。

スーパーマンデーもスタンプラリーも中止されたままなので、むしろコロナ以前よりも閑散とした雰囲気になってしまった。

 

何が得意ということもなく淡々と普通の品を普通の値段で普通に売り続けている地味スーパーだが、最近偉いなあと感心しているのは、世間で「品薄」とされている商品であっても、入荷さえすれば淡々と普通の値段で売り続けている点である。

マスクが復活したときもそうだった。

4月28日に、7枚入りマスクが280円で買えた時には驚いた。

ちょうど、シャープが50枚入り3000円だかで抽選販売を始めた頃である。

しかも、聞いたことないメーカーじゃなくて「アイリスオーヤマ」のだったからね。

その頃には近所のドラッグストアでもちょこちょこマスクを見かけるようになっていたが、お値段はまだまだ高かった。わたしは近づきもしなかったが、繁華街などの路上で怪しいマスクが高額で販売され始めた頃である。

その後、5月16日には60枚入り600円のマスクが買えたが、それもここのスーパーだった。

それ以来、わたしはマスクを探すこと自体やめてしまったけれど、地味スーパーではずっと淡々と普通の値段でマスクを販売し続けている。

 

それから、アルコール系の消毒除菌系の商品。

今日、久しぶりにアルコール入りのウエットティッシュが棚に復活していたので買ったんだけど、100枚入りで419円だった。

 

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これ。スコッティのやつ。

Amazonでは売り切れで、楽天では1100円で売られてた。

先日別のドラッグストアでは知らないメーカーの、もう少し容量が少ないタイプのが580円ぐらいで売られていて、結局迷って見送ったんだけど、正解だったよね。

 

ウチでは手の消毒は普通に手洗いで済ませているんだけど、スマホは丸洗いするわけにもいかず、今まではアルコールのスプレーをキッチンペーパーにしみこませて拭いていた。

ウェットティッシュがあれば、ペーパーにシュッシュとやる手間が省けてラクになるよ。スプレーも残りわずかだったから、ずっと探してたんだよ。よかった。

 

結局、コロナで品薄になってしまった物って、未だにネットで探しても変な価格のものしか見つからないし、ドラッグストアやホームセンターに行ってもいまいちピンとこない感じの品物ばかり。

そんな中で、なぜか地味スーパーは(コロナ以前の)普通の商品を普通の価格で提供してくれるのが、最近妙に際立ってすごいなと感心する。

あんなに地味なスーパーだけど、ひょっとして、すごいバイヤーさんがいるのかも。

 

この店は、びっくりするような特売でお客を釣るようなことをせずに長年ずっと淡々とやってきたが故にわたしに「地味スーパー」などと呼ばれているわけだけど、無理な値下げをせずに決まった物を淡々と売り続けていたおかげでメーカー(とか仲卸とか?)との関係が良好なのかもしれない。

だから、わりと早い段階で普通の品を普通の値段で仕入れることができるようになっているのかも。

 

こういう堅実な商売をしてる店っていいよね。

最近私の中でこの店の評判はうなぎ登りである。

これからどんな世の中になっても、あの店に着いていこうと思う。