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誰かへの手紙

便利?? 電子マネーのオートチャージ機能について

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ちょっと間があきましたが、「カード業界経験者が考える電子マネー」シリーズの続きです。

今回はオートチャージの話をしたいと思います。

 

先日書いたとおり、電子マネーには「プリペイド型」と「ポストペイ型」の二つの種類があります。

  • あらかじめチャージしておいた分しか使えないのがプリペイド型
  • 使った分を後からまとめて請求されるのがポストペイ型

これが二つの違いです。

どちらも、お金を支払うときの基本的な動作は同じ。非接触型の端末にカードをかざすと自動的に支払いが完了するカードなので、少額の買い物でクレジットカードを出すのに抵抗がある人にとっても使いやすいカードだと言えます。

プリペイド型は、基本的には店頭か専用端末で現金をチャージして使えるカードなので、クレジットカードを持っていない人でも子供でも、誰でも持つことができます。(電子マネーによっては保護者の同意が必要だったりします)

一方、ポストペイ型は「後から請求される」というサービスの性質上、クレジットカードとの連携が必要になります。

プリペイド型の「入れた分しか使えない」という特性は、使いすぎ防止という意味ではとても良い機能ですが、裏を返せば残高を自分で把握して適宜チャージしなければならないということ。

これはやはり大変不便なことです。それが面倒で結局あまり電子マネーを使わなくなってしまうというケースも往々にしてあるのではないかと思います。

その点、ポストペイ型なら連携しているクレジットカードの限度額が許す限りいくらでも使えるので、チャージ切れの心配はありません。

 

では、電子マネーを自由自在に使おうと思ったらポストペイ型を使うしかないのでしょうか?

いいえ、実はプリペイド型の電子マネーには「オートチャージ」という機能がついたものがあり、チャージの不便さを解消するよう工夫されています。

ポストペイ型ほど「いくらでも」というわけにはいきませんが、オートチャージを使えば残高が減ったときに自動的にチャージされるので、自分から「チャージしなきゃ」と行動を起こす手間が省けます。

「オートチャージ」は交通系の電子マネーでも流通系電子マネーでも利用できます。

オートチャージとは

「残高が○○円以下になったら××円チャージする」という条件をあらかじめ設定しておくと、交通系電子マネーの場合は改札通過時に、その他の電子マネーでは特定のレジで決済した時などにICカード内の電子マネー残高を読み取って自動で残高をチャージしてくれるという仕組みです。

チャージされた金額は、後日まとめて連携させたクレジットカードに請求されます。

クレジットカードに電子マネーのICカードの情報を連携させるか、あるいはクレジットカードに電子マネーのICチップが相乗りした一体型カードというものもあるので、自分の使いやすい形を選ぶようにするといいと思います。

 

手持ちの好きなクレジットカードと連携させるということはできません。

Suica→「ビューカード」

PASMO→「パスタウンカード」または首都圏私鉄系カード

nanaco→「セブンカード・プラス」

WAON→「イオンカード」または数種類の提携カード

楽天Edy→「楽天カード」(一体型のみ)

という具合に、それぞれの電子マネーと関係の深いカード会社が発行しているカードに限定されます。

オートチャージされるタイミング

交通系は「改札を通る時」です。

入場時に設定金額より残高が少なければそこでオートチャージが発動します。

退場時に運賃を引いた結果、残高が設定金額を下回ってしまう場合はそこでオートチャージが発動します。

入場・退場2回、オートチャージの機会がある形になっています。

なお、交通系カードはお店での支払いに使った時にはオートチャージされません。

 

流通系は「(オートチャージ対応のレジで)支払う時」です。

カードを読み取り機にかざして決済を行った後に残高のチェックが行われ、残高が設定された金額を下回っていたらそこでオートチャージが発動します。

問題点

交通系の場合は、お店での支払いに使った場合にはオートチャージが発動しないので、次に電車に乗る時までは、残高がどんなに設定金額を下回っていてもチャージされることはありません。

通勤などで毎日改札を通る人であれば一定金額チャージされた状態を保つことができますが、あまり電車を乗らない生活をしている人が交通系電子マネーを店での支払いに頻繁に使ってしまうと、オートチャージされないまま残高が減ってしまうので、結局手動でチャージしなければならなくなってしまいます。

 

一方、流通系の場合も、電子マネーでの支払いが可能なレジが必ずしもオートチャージ対応レジというわけではないので、この取引でオートチャージが行われたかどうか、レシートなどで確認して常に残高には気を配っておく必要があります。

ほぼ毎日イオンを利用するWAONユーザー、ほぼ毎日イトーヨーカドーを利用するnanacoユーザー、という場合ならいいのですが、そうでなければやはりオートチャージ機能を付けても手動チャージからは完全に自由になれないようです。

 

個人的にわたしの行動圏では交通系電子マネーが使える場面が多いので、キャッシュレス生活の第一歩として交通系電子マネーを使うようにしてみようと考えていたのですが、やはりこの点で躓きました。

わたしはオートチャージ機能付きのPASMOを持っているのですが、あまり電車に乗る機会がないのでオートチャージが発動するチャンスがほとんどありません。

だから、交通系電子マネーを普段の決済に頻繁に使おうとすると、結局すぐにチャージの問題にぶち当たってしまうのです。

コンビニなどで「チャージしたい」と伝えて現金を払えばチャージはできますが、これはあまりスマートとは言えませんよね。

まとめ

毎日電車に乗る生活をしている人であれば、交通系電子マネーのオートチャージ機能を使って便利に電子マネー生活をすることができそうです。

また、日常的に利用するお店がオートチャージに対応していることがハッキリしているのであれば、その系列の電子マネーのオートチャージ機能を使えるので便利です。

 

電車にも乗らない・利用するスーパーも定まらないという人にとっては、オートチャージ機能を使っても完全には手動チャージから解放されることはないので、やはり悩みは尽きません。

 

ここまで書いてきてだんだんわかってきましたが、多分わたしが本気でキャッシュレス生活をしたいと思ったら、ポストペイ型の電子マネーを使うしかないんじゃないかと思います。

次からはポストペイ型の電子マネーについて調べてみようと思います。

ゆくゆくは、おサイフケータイやApple Payの話題にも触れていきたいです。