あてもなく

誰かへの手紙

1月の読書記録(2)

昨日の続きです。

 

1月10日 山本一力「おたふく」

実家から持って帰ってきた

夏に帰省したときに、母が「最近時代小説にハマってる」とかで良かったら暇つぶしにどうぞと渡された本。

わたしも一時は時代小説にハマっていたこともあったけど、最近はご無沙汰。

このお話、舞台は江戸時代なのだけど、なんだか妙に「経済小説」っぽさを感じる。なんか、半沢直樹シリーズを読んでいるような……と思ったら、日経新聞で連載されていた作品のようだった。

幕府の失政によって不景気風が吹き荒れる江戸の街で新しい商売を始める商人の話。商売が食べ物を扱うお店だったものだから、読んでいる間中お腹が空いて仕方がなかった。

時代物にしてはちょっと勧善懲悪の方向性が違うというか、微妙に爽快感が足りないのは経済小説故なのかなと思う。もう少し生活感のあるお話も読んでみたいので、またいつか同じ作者の作品を探して読んでみようと思う。

 

1月12日 朝井リョウ「何者」

図書館で借りた

現代の大学生の就活がテーマの作品。

SNSの普及のおかげで今の大学生は昔に比べてずいぶん面倒でややこしい人間模様を繰り広げているんだな、という風に捉える向きもあるかもしれないが、わたしは逆に、SNSがあろうとなかろうと、根本的には大学生って今も昔も変わらないなあという感想を持った。

わたしたちだって、面と向かって本当の事は言えないくせに、大学の知り合いがいない場所では強がったり密かに人を下に見た発言をしたりしていたさ。

「大学の知り合いがいない場所」がSNSに変わっただけだ。

わたしは結局就職活動で何も得ることができなかった人間だし、今もちゃんとした「社会人」ではない気がするので、彼らの苦しみ悩みが自分事のようにわかるし、乗り越え方がわからないという意味で、まだ彼らよりずっと後ろの方にいる感じがする。

物語のなかで、女子学生が男子学生の「本性」を暴いてコテンパンにやっつけるシーンが2回出てくる(それぞれ別の学生)んだけど、正直、コテンパンにされる側の子が、わたしにはそれほど悪い子とは思えなくてかわいそうだった。

なんでそんな思いしなくちゃいけないんだろう。ただ、それも成長に必要といえばそうなのかもしれないなあ。

就活、なんとかなんないもんですかねえ。

わたしなんか、生まれ変わっても絶対うまくできない(トラウマ)

 

というわけで、ちょっと短いけど今日も2冊分の感想で失礼いたします。

この調子だと、10冊に到達するまでずいぶんかかりそうだな。