先日、用事があって出かけた遠くの街で、中途半端に時間を潰さなければならなくなる事態が発生しました。
クルマで出かけていたので、駐車場がある所がいいということで入ったイトーヨーカドー。その店内で、初めて「ポッポ」というファストフード店を利用しました。
実は昨年の年末頃にこういう記事を読んだことがあって、なーんとなく気になっていたポッポです。
ポッポが扱うのはらーめん、ソフトクリーム、たこ焼、お好み焼、フライドポテト、今川焼(薄皮黄金焼)など、屋台や遊園地的なライトミール全般である。
すべてのメニューがシンプルで、それゆえに飽きない。
「ど真ん中」に慎重にコントロールされた味。
「懐かしの」と形容されそうでありながら、実態はノスタルジーではない。どこにも存在しない、イメージ上の「故郷」みたいなものである。
考えてみると、こういうものを作るのが一番難しいのではないか。
わたしは大阪出身なのでそもそもイトーヨーカドーというスーパーを知ったのは大人になってからで、従って「ポッポ」という店自体に全くノスタルジー感がないのですが、こんな風に言われると気になります。
とはいえ、そのためだけにわざわざ行くようなお店でもないと思っていて(失礼)、近所のヨーカドーでも見かけたことはありますが、完全スルーでした。
今回はたまたま逃げ込んだヨーカドーで、同じ建物の中にある他のレストランがことごとく混雑していて入れなかったため、やむを得ず利用したという状況です。
頼んだのはたこ焼きとメガポテト。
こんなもんブログ記事にすると思ってなかったので写真すらありません…(笑)
例の記事が念頭にあったとはいえ、ほとんど期待せずに食べました。が、たこ焼きのおいしさにわたしは衝撃を受けました。
大阪人をして、
「ああコレやがな! たこ焼きっちゅーもんは!」
と言わしめるクオリティです。(エセっぽいw)
最近、ごくたまにですが買い食いするたこ焼きといえば大抵銀だこで、油で揚げたようなカリカリ系の銀だこもそれはそれで美味しくて好きなのですが、ポッポのたこ焼きは大阪出身者にとって古き良きたこ焼き屋さんを思い出させるような味でした。
ふんわりトロトロでたこはプリプリ、奇をてらったようなトッピングはなく、ひたすらシンプルなソース味。近所のおっちゃんが焼いてるたこ焼き屋さんの味です。
そういう「普通のたこ焼き」って気がつけばもう何十年も食べてないのかもしれないです。たまに大阪に帰省したって、たこ焼きなんか食べないですからね。たこ焼きって特別なときに食べるようなもんじゃないですからね。
ああ、懐かしい…。
公式サイトにも一応説明があります。看板メニューなんですね。
ポッポのたこ焼は『外はサクッと、中身はふんわりとろけるよう』に仕上げ、食べると口いっぱいにアツアツの美味しさが広がります。
って書いてあるけど、「外はサクッと」はちょっと違うかな。
わたしの感覚では「外もふんわり」でした。もちろん、それが良いのです。
たまたま用があって出かけた、首都圏内でも全く知らない街で、思いがけず故郷の味に出会うという微妙な体験でありました。
といっても、おそらく、近所のヨーカドーでも全く同じ味のたこ焼きが食べられるのでしょう。
...ま、そうとわかると、もう多分わざわざは行かないけどね。