洗面所の排水口の掃除、わたしにとってはめちゃくちゃ嫌いな家事でした。
これ、ウチのじゃなくてフリー素材からお借りした写真ですけど(ウチの洗面所はあんまりキレイじゃないのでお見せしたくない)
うちのも、排水口のところはこれと同じ形になってる洗面台です。まあ一般的にこんな感じですかね。
水栓はひねるタイプじゃなくてレバー式ですが。
水が流れ落ちていくところに銀色のフタが取り付けられています。
水栓の根元についてるレバーを引っ張ると、この排水口のフタが閉じて、洗面ボウルに水を溜められるようになっています。
この、銀色のフタのところですが、引っ張り出すとこんな形の部品です。
これはリアルにうちのやつね。
あらやだ、汚い。
そうなんですよ。この部品、めっちゃ汚くなるんですよ!
これでもカビキラーでダクダクにして時間置いてからゴシゴシやったのよ。
でも、これ以上キレイにならないの!(わたしの掃除技術……)
金属部分の黒いのは、汚れが付いてるんじゃなくてサビてるのでカビキラーとかそういう問題でもないです。
ウチの場合、この排水口は普通に使って1~2日で水の流れが悪くなります。
ウチには髪の長い家族が2名おり、洗面台には普段から結構な量の髪の毛が落ちるため、それが排水口のフタの下部、白いリング状のゴミ受け部分にあっという間に溜まるのです。
髪の毛が排水管に流れてしまうとパイプ自体が詰まって大変なことになるので、流れて行かないようにせき止める、それがこの部品の使命ですから当然と言えば当然です。
しかし、洗面所の排水口は、たとえば歯磨きのあと「ぺーっ」ってやったような排水も通ります。
ゴミ受け部分に髪の毛が溜まっていると、当然水の流れが悪くなりますから、そんな汚い排水もサラッとは流れずに少しずつそこにとどまってしまうのです。
非常に汚い話で恐縮ですが、唾液とか痰とかね。そういうドロッとしたやつも一緒に溜まるわけじゃないですか。
そういうのがゴミ受けのところでとどまり、発酵というか菌の繁殖(?)が進むとヘドロ状に熟成された汚れになります。
そして、ついには完全に水をせき止めるダムが完成してしまう。
このサイクルがだいたい1~2日でできあがってしまうので、わたしは少なくとも1日置きにこの部品を排水口から引きずり出して、溜まった髪の毛とヘドロを取り除く仕事をしていました。
数ある家事の中でもダントツで大嫌いな作業でした。
こんなにヤバい汚れ仕事なのに、案外こういう家事があることが世間では話題になんないんですよね。いろんな家事アイデアがバズったりしてる世の中ですが、案外こういう部分の掃除については流れてこない……。
わたし以外の家族は「洗面所の流れが悪いよ~」って言えば済むだけなので、排水口掃除がこんなに気分の悪い仕事だと知らないですしね。
そんなある日のこと。
子どもが洗面所を使っているときに排水の流れが悪くなり、いつもなら「おかーさん」と呼びつけて対応を頼むところ、なんかわたしが忙しそうにしてたのかわかんないですけど、その日は気を利かせて自分でゴミ受けの処理をしようとしたみたいなんです。
しかし、子どもは排水口のフタ部分を持ち上げてみて、そのあまりの汚さに呆然となりました。
ちょうどそのときわたしが洗面所の近くを通りかかりまして、子どもからこう言われました。
「ここって、こんなに汚くなるの?おかあさん、いつもこんなの掃除してるの?嫌じゃない?もっと、どうにかならないの?」
そうですよね。
わたしだって、もちろんこんな汚い作業は大嫌いですが、入居当時に標準で取り付けられていた設備を「そういうもんだ」とただただ使い続けてきました。
でも、子どもに言われてそれが思考停止だったんだと気がついたのです。
普通は「どうにかならないのか」って考えますよね。20年の思考停止って恐ろしい。
それで、改めて考えてみました。
排水管に髪の毛が流れていかないようにするためだけにこんなに嫌な作業を我慢して続ける必要はないはずです。
まず「洗面所 髪の毛」で検索すると、「パイプユニッシュ」などの商品名でおなじみの、汚れを溶かすタイプの洗剤ばかり出てきます。
いや、違うから。ソレは、排水管の奥に髪の毛が詰まって流れなくなった時に使うやつでしょ。わたし、髪の毛は流れないように気を付けてるのよ。だからパイプ自体は詰まらないのよ。事件はもっと手前で起きているのよ。
検索ワードを工夫します。
「洗面所 排水口 ゴミ受け」
これでやっとそれらしい商品が引っかかってきました。
いろんなタイプの商品が出ていますし、100均にもその手のグッズはあるそうですが、わたしが選んだのはコレ。
300円ぐらいで5個入りって、とっても安価。
使い捨てではないけど、汚くなってきたら気軽に交換できるってのもうれしい。
「ゴミをキャッチしても詰まりにくい」との名前通り、髪の毛が少々溜まっていても水はすんなり流れます。以前のように見えない場所で口から吐き出した汚水が溜まることがないので、いつ見てもわりとサラッとしていて気持ちが良い。気が向いた時にチョイとひっくり返して髪の毛をゴミ箱に捨てれば良いのでとても気が楽です。
見た目は少々不格好になりましたが、あの嫌な作業をしなくて良いならそれが正義ではないでしょうか。
こうしてわたしは、嫌いランキング第1位だった家事を手放すことができました。
もし同じようにこの作業を嫌だな~と思ってる方がいましたら、こんな方法もありますよってことで。
家の中には、まだまだ「そういうもんだ」と諦めている不快な家事が残っているかもしれない。ひとりで作業している弊害でしょうが、思考停止しないで変えられるところはどんどん変えていく行動力は持ち続けていたいものです。