あてもなく

誰かへの手紙

わたしが胡散臭いと思っていること



先日書いた話の続きでいろいろ考えていたのだけど、わたしが「なんだか胡散臭いなあ」って思う事柄について、他の人たちはそれほど変だと思ってなさそうなのが、わたしは不思議で仕方がない。

 

www.atemonaku.com

 

例のセミナーへ誘ってきたのが、以前から個人的に「ちゃんとした人」だと思ってそれなりに信頼を寄せていた人だっただけに、ちょっとガッカリした。

ここまでくると「もしかしたら、わたしが気難しすぎるだけなのかな」とか思ってしまったりもして。

 

でも、やっぱりそういう物の売り方ってわたしはどうしても好きになれない。

なんでそういうものを「胡散臭い」と思ってしまうのか。ちょっと考えてみたい。

 

といっても、こちらは一応不特定多数の人が誰でも読めるブログなので、ある程度フェイクも入れつつ書きます。

ハッキリと商品名や会社名を出して、どんなセールストークをしているか、など、きちんとご紹介できないのがもどかしいのだけど、わたしも一応身の安全を確保しつつしゃべりたいのでどうかご勘弁を。

 

わたしが胡散臭いと思っているビジネスの中身 

たとえば、その会社が扱う「商品」を、下着だとします。

実際には下着屋さんじゃないからここから先は創作と思ってください。

 

ある日、あなたは知人から誘いを受ける。

 

「上手な下着の選び方」とか「下着を正しく身につけるコツ」等、役に立つ知識が学べる無料のセミナーがあるんだけど、一緒にどう?

 

なんて。

 

「下着って、あまり適当なものを使い続けてると、身体に良くない影響が出るらしいよ。正しい知識できちんとしたものを選ばなきゃいけないらしいのよ。あなた、肩こりがひどいっていつも言ってるでしょ? そういうのも、実は質の悪い下着を使っているせいかもしれないの。正しい下着に替えるとあっさり悩みが解決することがあるって話よ~」

 

無料だっていうし、その知人とは今後とも仲良くしていきたいと思っていたので、

 

「ま、いっか~」

 

あなたは気軽な気持ちで参加する。

しかし、それは無料セミナーという名の、下着のデモンストレーション即売会なわけです。

 

いかにその会社の製品が品質が高くて優秀な品物で身体に良いものであるか。

アメリカのナントカっていう公的機関も承認しているオーガニックな素材を使っていて、この上なく低刺激で身体に全く負担にならない、とか「権威」っぽいものをいくつか並べて解説する。

あるいは、この素材は特別なもので、一般的に流通しているモノとはエネルギーの波動が違う、などと謎の「すごい」アピールをしてきたりする。

 

普通の人は大抵近所のお店とか通販とかで適当に下着を購入していますよね。少々こだわりのある人はデパートで高級ブランド品を使ってたりもするでしょうか。

だけど、そのセミナーに行くと、これまで使っていた下着はブランド品だろうがユニクロだろうがひとまとめにして「粗悪品」だとディスられます。

しめつけが身体に悪いとか、素材が良くないとか。「骨格のバランスが」とか。

場合によっては「発がん性」などといった怖い言葉も使って脅かしてきたりする。

 

「下着って24時間ずっと身につけるものでしょう? 小さな事でもずっと蓄積していくと身体に重大なダメージを与える威力を持ってしまうんです」

 

なんてね。

あらやだ、怖~い。

 

セミナーを聞いてその下着を買いたくなった人はその場で会員になって購入することもできるし、帰ってよく考えてからやっぱり欲しいと思ったらセミナーに誘ってくれた知人に連絡すればすぐに入会して購入することができます。

ただ、一般には流通していないので、欲しいと思ったら必ず会員を通す必要があります。

 

ま、ここまで書いたらだいたいわかると思うけど、あなたが下着を購入したら、あなたを誘ってくれた知人にちょっとしたマージンが入るんですよ。さらに、セミナーの講師にもマージンが入ります。

セミナーの講師っていうのは、そこの会社独自の基準で定められた研修を受けた「スーパーアドバイザー」とかいう肩書きのキラキラマダムなんだけど、実はマダムはそこの会社の社員とかではなくて、会員。

自分の配下の会員がどんどん新しい会員を獲得してくればそれだけキックバックも大きくなるので、ガッツのある会員は「勉強」を頑張ってより「高度な」セミナーを開く資格を得たり、魅力的なライフスタイルを演出してブログやSNSで発信したりしてどんどんその会社の商品を宣伝します。

 

いわゆる「ネットワークビジネス」です。

 

「悪いものではないから」という言い方で納得する 

そこの商品はね、それなりにしっかりしたお値段がするものの、一般的な下着と比較してめちゃくちゃ法外に高いというわけでもない。

肌触りがよい素材を使っていて、縫製なんかもしっかりしてて、品質は悪くない。

専用の洗剤とか使ってきちんとお手入れしたら、市販のものよりも長く使えて逆にお得ですよとか言われたり。

エネルギーの波動とかはちょっとよくわかんないけど、そんな言うほど高くもないし、身体に悪いものではなさそう。

どっちにしろ生活必需品だから、よそで買うよりはそこで買うおうかなっていうところに落とし込みやすいようなラインをきっちり狙ってきている。

 

わたしほどひねくれてなければ、キラキラマダムのセミナーを聞くだけでそこの商品が気に入って、それだけの価値があると納得できる、使って幸せな気持ちになれる、という人も多いかもしれない。

そうすれば、紹介してくれたお友達も喜んでくれて仲間意識が芽生えて安心感が得られるのだから、なんかWin-Winっぽいですよね。

 

良くない点があるとすれば、「下着をウチのに替えたら病気が治る」とか「他社製の悪い下着を使い続けると病気になる」とか、そういうことを言って勧誘するのは多分法律違反なんだけど、メーカーとして公式にそのような発信をしているわけではなく、ユーザーが「個人の感想」としてお友達に話している体なので、ちょっとグレーだけどセーフになるんだろなあと思います。

「エネルギーの波動」とかも同じ。

ファンの方が勝手に言ってることなんで~、ってね。

 

わたしはやっぱり苦手だな

こういう商売は、昔からある。このような商売のやり方自体は法に触れるものではないらしい。

だけど、わたしはこういうのすごい苦手なんですよ。

まずはやっぱりセールスのために根拠のハッキリしない恐怖を煽ったり根拠のハッキリしない効能を謳ったりするのは良くないと思う。

「お客さんが勝手に言ってるだけなんで」という逃げ道を残しつつ、実はその「お客さん」は利益の分配を受けている実質の販売員でもあるなんて、おかしいなと思う。

それから、購入するかどうかの判断を後押しするのに友人知人の「断りづらい」関係を利用するのもどうかと思う。

 

まっとうな商品を作っているなら、本当に良いものなら、正々堂々市場で勝負しろ、と思う。それができないってことは、やっぱりそんな言うほどでもないんでしょと思ってしまう。

 

もうひとつ気に入らない点

保護者の会の仲間内にこのネットワークビジネスを持ち込んだAさんという人は、明るい人柄とおもしろいキャラクターで順調に客を増やしているのだけど、このひと、めちゃくちゃ口が軽いのだ。

「みんなが使ってくれている」ということを広めてさらに客を増やしたいというのはわかるのだが、客になった仲間の健康上のセンシティブな問題を、本人がいないところでペラペラ話しちゃうんだよね。

 

「彼女、○○っていう難病を患っていて、完治は無理といわれているんだけど、緩和する治療を受けながらお仕事と育児を頑張っているんですって」

「それで、少しでもラクになっていただきたいと思ってウチの下着を勧めて、最近はずっとそればかり使ってもらっているんだけど、やっぱりずいぶんラクなんですって」

「改めて、ウチの下着のすごさを感じたわ」

 

ソレ聞いて「へええ~」って周りの人たちはいたく感心した風に頷いてるんだけど、ちょっと正気を疑う。そんな他人の病気の話とかバラしちゃっていいのかい?

とはいえ、その場に居合わせてしまったわたしだって、そのおしゃべりに水を差さないように薄笑いを浮かべてその場に座ってるだけだから同罪かもしれないね。

 

おしまい

わたしからしたらもう絶対無理で嫌だけど、正面切って否定したり、ケンカをしたりしても仕方がないので、時が過ぎるまで上手に距離を保ってできるだけ関わらないようにするしかないと思っている。

では、なんのためにこんなクソ長い文章を書いたかというと、これはもう「ガス抜き」です。

自分の不快感の原因をきっちり整理して、タダの「食わず嫌い」ではないことを再確認したかった。周りの人たちの多くがその活動を「良し」としている状況のなかで、自分の正気を確認したかったのです。

 

これでなにかと戦おうなんて強い意志もないし、啓蒙とかいう大それた事も考えてないです。

買いたいヤツは買えばいい。

ただ、わたしは絶対買わないし、セミナーなんか絶対行かない。

 

思えばなかなか罪深いことではないですか。

なんでわたしがこんなことでモヤモヤしなきゃいけないのさ。

 

……はい。

とりあえず文章にまとめて昇華したので、ここまでのことを頭の中で堂々巡りにするのはおしまいです。

 

荷物を下ろして先へ進みます。