あてもなく

誰かへの手紙

緊急事態宣言下で見かけたクリーニングにまつわるデマ(?)について



今日、珍しくクローゼットの片付けなんかをしようと思って作業を始めたら、冬物のコートなど、使いっぱなしのまま季節外れになってほったらかしになってたのがたくさん出てきた。

思えば、2月半ば頃からコロナの影響で徐々に外へ出かける機会が少なくなって、そのまま、衣替えをハッキリと意識する事もなくフェードアウトするように使わなくなってしまった衣類たちだ。

せっかく整理するのだから、季節外のものは手の届きにくい奥の方へ、これからの季節によく使うものは手前の方に並べたい。

そして、季節外のものは奥へしまう前にクリーニングに出したい。

というわけで、今日は冬物のコートを中心に10点ほどまとめてクリーニング店に運び込んできたのでした。

 

そういえば、コロナが怖れられまくっていた4月頃のこと。

こんな「お願い」がTwitterで拡散されていてネットニュースでも取り上げられていた。

 

クリーニング店員さんからの

「コロナの流行が落ち着くまでは、できるだけクリーニング店に服を持ち込まないでほしい」

というお願いである。

 

news.nicovideo.jp

投稿者さんによると、クリーニング店で感染者が出た場合、店で預かっている品物はもう一度洗浄する必要があるといいます。

また、感染したであろう期間に来店されたすべての客に連絡し、品物を引き取り済みであれば回収する可能性があるのだとか。

クリーニング店で品物を出した場合、引き取りに来なければなりませんよね?つまり、預ける人だけでなく、品物を引き取りに来る方もたくさん来店されます。

1日に何百点の品物、そして何十人といらっしゃるお客様すべてをケアしなければならなくなります。

(中略)

クリーニング店は感染症と接触するリスクが高いにもかかわらず、誰も気にかけてくれません。生活必需産業というのもありますが、会社は繁忙期がゆえに休業したくないのです。

(中略)

これからしまうだけの冬物の服や、着る予定のないもの、急がないものに関しては、感染リスクを減らすためにお持ちいただくのを控えてもらいたいです。

今出さないと生活に支障をきたしますか?困らないのであれば、コロナウイルスが終息するまでとはいいません。

少し落ち着くまでお待ちいただきたいです。お願いいたします。もう限界です。ご理解ください。 

 

この「お願い」をそこまでガッツリ真に受けたわけでもないのだけど、わたしが冬物をクリーニングに出しそびれていたのに全く関係ないわけでもない。

そもそも外出する機会自体をできるだけ減らしたい時期でもあったし、クリーニングの店員さんはお客が来るのが嫌みたいだし、そんならクリーニングはまた今度でいいかな、ぐらい。

 

この意見が拡散されていた頃からほどなくして、いつも利用しているクリーニング屋さんからこんな内容のハガキが届いた。

 

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  • コロナの影響で外に出たくない気持ちはわかるけど、クリーニングに出さないまま冬物を片付けてしまうと、後から困ったことになっちゃうよ!
  • きちんとした根拠があるわけじゃないけど、多分クリーニングに出したらコロナウイルスは除去できると思うよ!(=だからクリーニングは安全!)

 

簡単にまとめると、このような話である。

あまりにもタイミングが良かったので、クリーニング屋さんはネットで「クリーニング店員の悲痛な叫び」が拡散されているのを見て慌てて対策を打ったのかもしれないなと思ってしまった。

 

結果的に、わたしは4月の段階では冬物の服をクリーニングに出すことを見送って、緊急事態宣言が解除された6月になってからやっとクリーニングを出すことにした。

「クリーニング店員の悲痛な叫び」の方に軍配が上がったわけだ。

社会全体を見渡してどれぐらいの影響があったのかは、わからない。

 

わたしが「クリーニング店員の悲痛な叫び」を最初に見たときに思ったのは……

結局のところ、この人は職場の待遇に対して不満があるってことが言いたいだけじゃないのかな、ってことだ。

 

「(投稿者曰く)もしクリーニング店で感染者が出たらその時期に出された洗濯物は引き取り済み分も含めて全て回収て洗い直しをしなきゃいけなくなるんですよ!」

 

なんて、何を根拠に言ってるんだかわからない。

それって、ある種「デマ」に近いものなんじゃないだろうか。

 

 投稿者さんの働いている店では、「従業員はマスク着用」といわれながらも配布してもらえるわけではないといいます。

そんな中、素手で預かった衣類を触ると、ポケットから使用済みのティッシュやマスク、爪楊枝、ハンカチなどが入っていることも多々あるのだとか。

ビニール手袋を着用しての点検はポケット内の小さな忘れ物に気付きにくくなったり、品物を傷付けてしまう可能性もあるため、素手で確認をするしかないのです。

日々、感染リスクにさらされながら仕事に励むクリーニング店の従業員。

 

いわば、こういう危険な仕事を(おそらく)低賃金の非正規でやらされててほとほと嫌になり、デマのような話をブチ上げてしまったのではないか、と。

 

クリーニング店は感染症と接触するリスクが高いにもかかわらず、誰も気にかけてくれません。生活必需産業というのもありますが、会社は繁忙期がゆえに休業したくないのです。

 

二度目の引用だけど、結局一番言いたいことはここに集約されているように見える。

コロナの感染の危険があるのに、会社は利益優先で従業員の安全を考えてくれない。危険な作業に対する手当もない。

会社がアテにならないのなら、もう、お客さんに「お店に来ないで」って頼むしかないよね、と。

 

わたしは、こういうの、すごく良くないと思う。草の根で拡散されるだけならともかく、ネットニュースでまとめるのってどうかと思う。

ま、そういうわたしもすっかり踊らされちゃったんだけどさ。

 

クリーニング店を久しぶりに利用して思い出したお話でした。