PTAの話題、朝からTwitterで盛り上がってるので少しだけ。
こちらに一連のツイートがまとまっている。
ブクマがたくさんついているのは元ツイートの方なんだけど、こっちのほうが読みやすいので。
あんまり当事者をやったことがない人にはピンとこなさそうな話ではある。
わたしは子供が幼稚園の時から高校生の現在に至るまでずっとPTA役員をやってきたのでこの感じはなんとなく知ってる。
で、この話。
書いている人は、「PTAの仕事をもっと効率化して負担を軽くしようと手を上げた人が抵抗勢力によって排除された」という話にしたいようなのだけど、本当にそうなのかなあ、と思って。
一連のツイートを読みつつ、想像力で補いながら状況を考えてみる。
この人が所属している「広報委員会」っていうのは、多分1年ごとに改選する役員ではなくて、子供が1年生の時にメンバーになったら卒業まで3年間続けて務めるもののようだ。
子供が1年生の間はヒラのメンバーとして2,3年生の保護者たちと一緒に動きながら広報委員会の仕事を覚える。
2年目になると広報委員会の幹部を担う世代となる。会長も2年生の保護者が務めるようだ。1年生の年度末に「次年度の会長を現1年生から選出したい」というお便りの内容はそういう意味なのだろう。
子供が3年生になったら、代替わりで、新2年生の保護者たちに幹部の仕事を譲って3年生の保護者は補助的な役割につく。おそらく「3年生の親は中学生活最後の行事をゆっくり参観したいだろうから」みたいな理由が付けられていると思う。
補助的とはいいつつ、3年目なので行事のこととか学校のしきたりとかなんでも知っててちょっとした「ご意見番」みたいになってみんなから頼りにされる(顔色をうかがわれる)代になるのだろう。
「広報委員会」は大体こういうシステムになっていると考えられる。
このツイートの主は今年度の4月から「広報委員会」のメンバーとなって約1年間活動してきた「現1年生」の中のひとりである。
次年度の会長を決める話し合いで、ツイ主は「会長やります」と手を挙げた。
他にやりたい人もいなかったのでなんとなく「じゃ、いいんじゃない」ってほぼ決まったみたいになった。
その続きから、引用する。
次は副部長・会計を決める段となったわけですが、どんな仕事があるのかわからないでは立候補もしづらいのは当然なので、現部長・副部長に質問。理事会の頻度や広報誌の発行頻度などを聞き取り、ホワイトボードに書き出していきました。その中に「合唱コンクールの旗振り」という仕事も。
私は合唱コンクールに行っていなかったので、「それはどんな仕事ですか?本当に旗を振る仕事ですか?」と質問したところ、突然副部長が「なんか馬鹿にしてるよね」と発言。突然のことで本当に驚きました。「人にものを教わる態度じゃないよね、どういうつもりなの」とも。
ここでちょっと風向きが怪しくなってくる。
最初に連ツイをなんとなく読んだときは不思議だったんだけど、わたしが想像で補った情報をあわせてみると、なんとなくわかってくる。
わたしの想像が正しければ「現1年生」のメンバーは今年度の初めから広報委員会のメンバーとして活動してきてるはずなんですよ。毎年改選で全員まっさらなメンバーが集まってるわけじゃなくて。
それなのに、肝心の「次年度会長やります」って人が、広報委員会の仕事内容について初歩的な質問を繰り出してきたら「えっ」ってなるんじゃないかな、と。
たとえば「広報誌の発行頻度」って質問。
1年ちゃんとやってきたとしたら、広報誌が年に何回出るかも知らないってありえないんじゃないかな。
そもそも、広報誌はおそらく全校生徒にも配られてるはず。
委員会関係者でなければチラッと見てポイしちゃう親もたくさんいるけど、自分が広報委員会のメンバーだったら、ちょっとは興味持って見るよね。自分がやった仕事も関わってるんだし。
どうでもいいってことは、この人よほど仕事してなかったんじゃないのかなって思う。
それから、「合唱コンクールの旗振り」(?)というナゾ仕事について。
ツイ主は「自分は合唱コンクール行かなかったから知らない」って言ってるけど、本当だったら広報委員メンバーは1年生から「旗振り」に参加するものなんだよね、きっと。
それをこの人が欠席してたんだとしたら、「旗振りわかんない人が委員長になって大丈夫かな」ってなるよね。それに「来年も欠席だったら困るな」っても思う。
本人は「仕事があるので」などの「正当な」理由で欠席したのかもしれない。
最近のPTA活動は大抵「仕事をしてる人は無理のない範囲でお手伝いしてくだされば大丈夫です」って言うし、ヒラのメンバーであればそれでも構わないと思う。
でも、「わたし次期会長やります」っていう人がその調子だったらどうだろう。
今年度の会長や真面目に活動してきたメンバーにしてみたら「広報委員会舐めてんのかな」ってなるのは当然なんじゃないだろうか。
なんとなーくだけど、「旗振り」で決定的に戦闘モードになったところから察するに、「旗振り」って広報委員会の仕事の中でも結構大変なほうの、みんながあまりやりたがらない仕事なんじゃないかなあ。でも、必要性もわかるからみんな頑張ってやってる仕事なんじゃないかな……。
それをやってもないのに「わたしが会長になって、要らない仕事どんどん削減しちゃいます」みたいなこと言われたら、そりゃ「どういうこと!?」ってなる気がする。
基本的には前年通りに活動するが、できれば広報の仕事を軽減したいと思っていることなどを伝えるものの、この頃から2年生・1年生保護者双方から私に質問が飛んでくるようになりました。いわく「部長ともなればすべての活動に参加しなければならない、全部出られるのか」「理事会も毎回出られるのか」
だから、こういう風に詰められる。
ちゃんと出てこないくせに「広報の仕事を軽減したい」って……。
完全に予想外だったのは、「PTAの仕事を減らしたい、楽にしたい」と思っている人が誰もいなかったこと。「今までは広報誌1号につき4回集まっていたけど、1年やってみて、毎回10分くらいで終わるので、たとえば3回でもいいのでは?」と言ってみたら、全員から否定されました。
せめて3分の1くらいは「もうちょっと楽にしてもいいかも…」と考えているのでは、と思っていたけど、実際には私以外の全員が前年踏襲がいいと考えていることがわかりました。これは完全にただの予想外で、私が甘かったですね。本当に驚きました。
ツイ主はこの対立構造を、「仕事を減らしたい人vs仕事を減らしたくない人」にもっていきたいみたいだけど、違うと思う。
上の学年の広報委員の人たちだって、仕事減らすにはどうしたら良いかなあって考えてきたと思う。そういう話をしている場に、ツイ主はいなかったから知らないだけなんだと思う。
きっと、ツイ主の代わりに会長に推された人は、少なくともツイ主よりはきちんと出番に参加して周囲の(現会長の)信頼を得ていたのではないかな。
この問題には結構な数のブコメもついていて、
抵抗勢力=PTAの負担が軽くなると困る人=PAT活動を生きがいにしているヒマな専業主婦と非難したり、だからPTAなんてクソなんだ→なくなってしまえばいいという意見が出たりしていた。
PTAという存在に対して昨今は風当たりが厳しいし、実際、わたしも良くない面はたくさんあると思う。PTAのせいで辛い思いをしている人がいるのも事実だとは思う。
だけど、なんかこの話はそういう「PTAが悪い」って話とはちょっと違うのではないか。
そう思ったのでかなり長くなったけど書いてみました。