あてもなく

誰かへの手紙

接客時のマスク着用禁止に見る、働く人の繊細な気持ち



はてなブックマークでちょっと話題になっている記事。

 

b.hatena.ne.jp

 

イオングループが、接客時のマスク着用を原則禁止したことが分かった。

風邪をひいた場合は認めるなど一定の配慮はしているが、現場からは「せめてもの予防もさせてもらえない職場に不信感しかありません」と反発も上がっている。

 

とのことだ。

記事によると「悲鳴」を挙げているのは従業員で、

「不特定多数の客に接する立場で、風邪予防のためにマスクをさせてもらえないのは不安だ」という不満の声が上がっている模様。

一方ブックマークのコメントでは、客の立場から「風邪をうつされたくないので、体調の悪い店員はマスクをつけて欲しい」というような意見が多く見られた。

 

ところで、マスクというのは風邪の感染予防に効果はあるのだろうか。

わたしは以前から

「風邪を引いていない人が予防のためにマスクをするのは意味がない」

という話を聞いたことがあって、その説をわりと信じている。

わたしの個人的な考えはこうだ。

自分が風邪を引いている時にやむを得ず外出する際は、咳などで周りにつばや鼻水をまき散らさないためにマスクを着用するのはエチケットだと思うが、自分が風邪を引いていないのならマスクをする必要はない。

 

っていうか、わたしめっちゃマスク嫌いなんですよ。

マスクをするとメガネが曇るし、蒸れるしうっとうしいし顔がかゆくなるし、時間が経つにつれだんだんマスクの中が臭くなってくるし。

自分が風邪を引いたときは仕方ないからマスクするけど、自分が風邪を引いていないなら、できるだけマスクなんかしたくない。

最近はどっちかというとマスクが好きな人が多そうなので、こっちの意見は少数かな。

一応調べてみたらこんなん出ました。

 

news.yahoo.co.jp

 

マスクを使っている人には「人にうつしたくない」「かかりたくない」という大きく2つの目的があると考えられます。

人にうつさない目的でのマスクの使用。これについては厚生労働省が推奨しており、咳やくしゃみにより飛沫が飛び散るのを防ぐための「咳エチケット」として知られています。

一方、風邪やインフルエンザにかからない目的でのマスクの使用については「市販のマスクの着用だけでウイルスの侵入を完全に防ぎ、感染症を予防するのは難しい」と国内外の公衆衛生に詳しいハイズ株式会社・薬剤師の後町陽子さんは言います。

 

はい、これこれ。

わたしは、この説を信じているのです。

もしこの説をしっかり広めて信じさせることができれば、イオンの従業員からの不満の声・悲鳴は収まりそうな気がするけど、どうなんだろう。

 

しかし、よく読んでみると……

マスクのみで感染症を予防するのが難しい理由として後町さんは、ドラッグストアやコンビニエンスストアで手に入れやすい一般的なプリーツ型のマスクや立体型のマスクでは着用時に鼻や頬のあたりに隙間ができてしまう点を指摘します。

「マスクと顔の間にできた隙間からウイルスを吸い込む可能性があります。そのためマスクによってウイルスの侵入を完全に遮断し、感染症を予防するということは物理的に難しいのです。また市販のマスクのウイルス捕集効率は商品により差があるという報告もあります」(後町さん)

ではマスクは感染症を防ぐのに全く無意味なのかというと、そうではなくメリットもあります。

それはのどを保湿できることです。のどの粘膜が乾燥するとバリア機能が弱まり、ウイルスが体内に侵入しやすくなる可能性があります。

 

これって「それなりにマスクにも効果がある」とも読めてしまうような内容なんだよね。

1%でも風邪を引く確率が下げられるのなら喜んでマスクを付けたいという気持ちを変えさせるほどの力はなさそうでちょっとがっかり。

 

でもね。

話はすこし逸れたけど、結局この話も「気持ち」の問題だと思うのですよ。

そもそもイオンの従業員は、低賃金で厳しい労働条件の中、会社に対して常に不信感をうっすらと感じながら働いているんでしょう、きっと。

そこへ「マスク禁止」の通達が上からバンと示される。

そしたら、

会社は全然あたしたちのこと大事に思ってくれないよね!

結局ウチらが風邪引こうがどうでもいいって思ってるんだよね!

って反発したくなっちゃうと思うんだよね。

つまり、科学的にマスクが効果あるかどうかなんて、もはやどうでもいいのかもしれない。

今までマスク着用はなんとなーく黙認されてたっぽいから、急に取り上げられて「ひどい!」ってなるんだろうし。

 

ちなみに、こんな話もありますね。

 

besli.jp

 

マスク依存症。マスクしてると安心、からの、マスクしてないと不安。

「風邪予防」とはタテマエで、ホントは「マスクしてるとちょっと心理的に守られてる感じがする」っていうのもあるんじゃないのかなと。

接客業やってると、時々お客さんが恐かったりするじゃないですか。

それが、マスクして接客してみたら、マスク無しよりずいぶん気が楽だって。そんな風に実感していた人もたくさんいるんじゃないだろうか。

 

ところで、わたしが働いているファストフードチェーンでも従業員はマスクの着用が禁止されている。

「体調が悪い従業員は、きちんと申し出て休むこと」とある。

本人の身体のためももちろんそうだけど、お客様に病気を広げない為にも重要とのことでマニュアルにもきちんと書いてある。

だから、どこの店に行ってもマスクをつけて働いている人は一人もいないし、過去に誰にも許可された事がないので「風邪がうつりたくないからマスクを付けたい」という考えの人が働くスキはない。

 

「マスクを付けたい」要求の裏にある気持ちは複雑だからこそ、禁止するならこれぐらい徹底的にやらなきゃダメなんじゃないかな。

もし以前は黙認されていて急に「禁止」を打ち出すのであれば、不満を持つ人に対してのケアもセットで進めなければならないのではないだろうか。