先日Twitter上で話題になっていたのを見て、ちょっと感想を書きたくなりました。
わたしがどこのファストフードのチェーンで働いているのかについては明言を控えさせていただきますが、いずれにせよファストフードのお店だったらまず内情はだいたい似たような物だと思うのでちょっと書いてみたいと思います。
マクドナルドさん、「子供が熱出したから休みたい」って母親に「休んでも大丈夫!代わりの人を見つければな!」ってのをまるでいいことのかのようにバイト募集の広告として店内に貼り付けるのはどうなんです?
— 朝凪日向 (@asanagi07) 2019年4月6日
これを見てまず思ったのは...
中の人、ちょっと感覚が麻痺しちゃっているんだろうなあ、と。
これを見て、一般の方が「安心して働ける」とか「子持ちに優しい」と思ってくれるわけがないので。
「なんでもアリと思われたら困る」なんて貧乏性で余計なこと書いちゃったんでしょうけど、中途半端な書き方だから全く逆効果になってるんだよな、と思いました。
ただ、中身を知ってる人間にしてみれば、代わりに入ってくれる人は簡単に見つかることが多いからそんなに心配しなくても大丈夫なのになあ、とも思います。
それに、万一代わりの人が見つからなかったとしても、マネージャーから出勤を強要されることはないです。(ちなみに、マネージャーもほとんどみんなバイト)
わたしの勤めているお店では、バイトのLINEグループがあります。
急に休まなければならなくなったとき、そのLINEグループに
「今日の○時~○時シフト入ってますが子供が熱を出して行けなくなりました」
などと書いて送信すると、ほとんどの場合グループの中の誰かが「私、行けますよ」と手を挙げてくれます。
特に小さなお子さんがいるバイトはみんな、明日は我が身と思っているので、自分が大丈夫な時には積極的にヘルプに入っておきたいと思っています。そうすれば、次自分が急に行けなくなったときに遠慮なくヘルプをお願いすることができるからです。
もちろん、人それぞれいろんな事情がありますので、公平に持ちつ持たれつというわけにはいかないのでしょうが、別に、自分もその日は無理なら既読スルーすればいいだけだし、気楽なもんです。
うちは子供がもう大きくて、よほどの重病でもない限り子供の病気で欠勤を余儀なくされることはありませんので、わたしなんかは子育て支援みたいな気持ちでできる限りヘルプに入るようにしています。
ちなみに、子供の発熱とかじゃなくて、学生さんが「学校のスケジュール勘違いしてて授業あるのにシフト入れちゃった、誰か助けて」とか送ってきて、それを主婦が助けたり、なんかいろいろ気軽な感じでやってます。
「代わりのバイトを見つけるのはお店の責任」というのはもっともですけど、実際のところお店側の人が代わりの人を探すよりも、バイト同士の自助グループでお互い融通しあう方が気楽だったりもして。
子供が病気なのになんで本人が周りに頭を下げて自前で代わりの人探さなきゃいけないの、なんて意見もありましたが、上記のような感じで簡単に頼めるのでそんな大げさな負担はないと思います。ちなみにLINEグループにはマネージャー職のバイトも入っていて、休む本人が第一報さえ入れておけば、あとはマネージャーさんが調整してくれることが多いです。
おそらく、上記でやり玉に挙がった店内POPはそんな内情に基づいて描かれたんだろうなあとも思いました。書き方が悪いのでただただ残念なことになりましたが。
しかし、そもそも「休ませてもらえない」というのはどういうことでしょうか。
たとえばいざ「代わりの人が見つかりません」となったとき、鬼マネージャーが「いや、来てもらわないと困るからな! 絶対来いよ!」と凄んできたとしても、実際には首に縄付けて引っ張って連れて行かれるわけではないのですから、何を言われたって行かなければいいだけなのです。
お店が大変? いやいや、お子さんの看病の方が大事に決まってます。
そんなことしたら怒られる? クビになる?
でもね、そんな風に圧力かけてくるようなお店で働くぐらいなら、よそへ行った方がいいのですよ。どーせファストフードなんて最低賃金だしどこ行っても同じなんだし。
正直、どこの店も人手不足なんで、働く場所なんかすぐ見つかります。
そんなことは経営側も承知しているので、実際にはそんな鬼マネージャーって、なかなかいないと思います。
だって、たまたまお子さん病気で休みたいって言ってるだけの、普段は働き者の優良なバイトさんに対してそんな無茶を言っていじめて、結局「わたし無理だわ」って辞められちゃったら元も子もないじゃないですか。
それよりも、できる限り優しくして長く働いてもらうほうが、いろんな意味でトクなのです。
人が足りないと確かにお店は回らなくなります。
が、回らないなりにやるのです。
たまたま入った店がなんだかその日は人が全然いなくて回ってなくても、どうしても食べたい人はめちゃくちゃ並んで買っていくし、「あー、今日はダメだな」と思って別の店に行ってしまうお客様がいてもそれはそれで仕方がないことです。
それが、「お店が責任を取る」ということだと思います。
どっちみち大したお給料ももらってないわけですから、働く側は店の都合に対して責任を感じる必要も、ましてや罪悪感を持つ必要もないのです。
とはいえ、これはわたしの身の回りで確認できる範囲のお話です。
もしかしたら、ファストフードのお店の中でも人間関係が良い、恵まれたお店かもしれないなあとは思います。でも、だからといって「働く人に優しい、パーフェクトな労働環境」とは全く思わないです。闇を感じることもありますよ。だから、お友達にオススメしたいとかは全く思わないです(笑)
ただ、主婦や学生が自分の都合優先でちょこっと稼ぐには、ファストフードはそれほど悪くないと今は思っています。
という、個人の感想のお話でした。