あてもなく

誰かへの手紙

松本・上高地へ 一人旅の記録(6) 2日目-3

前回の記事、梓川「右岸」と「左岸」を逆に書いていました。(修正済みです)

川の右岸左岸を言う場合、上流から見た左右で考えるんですね。

 

河童橋から明神池へ

休憩と腹ごしらえをして時刻は10時に近づいていました。

帰りのバスが12時40分発なので残された時間は3時間足らず。

予定ではこのあと、梓川をさらに遡って明神池まで散策するつもりでした。

事前の下調べによると河童橋~明神池間の往復がちょうど2時間のコースなので、予定通り散策を決行するならもうそろそろ出発しなければなりません。

まだ小雨がパラついていましたが、今朝大正池に降り立った時に比べればずいぶん空も明るくなって、このまま止んでくれそうな気配。

晴れてくることを信じてとりあえず歩き出してみることにしました。

 

これから歩くコースは、上高地バスターミナルから河童橋を過ぎてさらに梓川左岸を上流に向かって行き、明神橋を渡って今度は右岸の散策路を歩いて河童橋に戻るというルートになります。つまり明神橋が折り返し地点ということになりますが、その橋を渡ってすぐのところに穂高神社奥宮があるのでお参りしてから戻ることにします。

歩き始めは少し傘を差しましたが、ほどなくして雨が止んだのですぐに傘をたたむことができました。

 

梓川の本流は昨日からの雨で茶色く濁っていますが、梓川に注ぐ支流の多くは澄んだ流れを保っていました。

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この先の道も、基本的には大正池から河童橋までとほとんど変わらない林間の散策路です。緩やかな上り勾配ではありますが、比較的歩きやすい道です。

傘をたたんで身軽になったので、のんびり歩く人たちを抜かしながらサクサク歩きます。

30分ほど歩くと青空が見えてきました。

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おそらく、あれが明神岳。

 

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上高地バス停から3kmという表示。よく歩いたなあ。ここまで約45分。きっちり時速4kmのペースで歩いています。

道標に従って、ここで左に曲がって明神池を目指します。

 

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明神橋!かっこいい。雄大な吊り橋です。わりと揺れます。雨のおかげで下が濁流なのでちょっと恐かったです。

渡った先に穂高神社奥宮と明神池があります。

穂高神社奥宮は、こぢんまりしたお宮さんでした。楽しい旅に来られたお礼と、安全に帰られることを祈願しました。

明神池はさらにその奥、穂高神社の敷地内であり入場料が必要です。

お天気が良ければ、池の水面に映る明神岳が見られて美しいスポットなのですが、なにぶん雲の多い空模様ですので景観は期待できません。帰りのバスまでの時間もそれほど有り余っているわけではないので、ここはパスして帰途につくことにしました。

 

往路で歩いた左岸ルートに比べて、復路の右岸ルートのほうが距離が長かったです。

だんだん風景を見慣れてきたせいもあるのですが、ずっとこういう風景の繰り返しです。足も痛くなってきて、楽しさよりも修行してるみたいな気分が濃くなっていきます。

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河童橋まで残り1キロほどのところ。岳沢湿原。

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雲が濃いですね。このあたりまで来る頃にはまた雨が強くなってきて、傘が必要になってしまいました。

すれ違う人の数が格段に増えてきて、そろそろゴールが近いことがわかります。

そして、ついに河童橋に到着しました。

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よく歩いたごほうびに、河童橋ほど近くの「トワ・サンク」でりんごソフトクリームを食べました。普通のバニラソフトクリームにリンゴのシロップをかけたものです。

また、写真を撮る前に食べてしまいました。ごめんなさい。

 

というわけで、ガイドブックに書いてあったとおり、だいたい2時間で河童橋に戻ってくることができました。ソフトクリームを食べ終わった時点で時刻は12時を少しまわったところ。

わたしは体力がある方ではないので歩くのもそれほど速くはありませんが、黙々としっかり歩いて2時間ですので、写真を撮りながらのんびり歩きたい人は多めに時間を見積もったほうが安心だと思います。

 

上高地から松本へ、そして帰宅

12時半にはバスの乗車点呼が始まります。指示されたとおり乗り場で待っていると係の方が現れて、整理券の番号で呼び出しを始めました。

自分の番号が呼ばれたら整理券を渡して順次バスに乗り込みます。

帰りのバスに乗車したのは往路よりは多い20人ほど。

帰りは直通ではなく、バス(上高地~新島々)+電車(新島々~松本)で松本まで戻ります。

 

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上高地からバスで約1時間。新島々駅に到着。

ここからは松本電鉄上高地線の電車で移動です。10分ほど待っていたら松本行きの電車がやってきました。

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新島々から松本へは電車で30分。なんだかあっという間です。

朝に購入した往復切符の復路用半券だけで松本まで戻れます。改札の都度、切符を係の人に見せればOKです。

松本駅はJRと松本電鉄が乗り入れていて、改札を通らずにそのままJRに乗り換えることもできます。が、わたしは帰りの特急まで少し時間を取ってあったので、一旦改札を出てちょっとしたお土産と車中で食べられる軽食を購入しました。

 

帰りの特急は、臨時特急のはまかいじ号です。

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普通の中央線特急は主に新宿~松本間の運行なので、神奈川在住のわたしは普通なら八王子で降りて横浜線に乗り換える必要があるのですが、たまたまこの日は15時21分発ではまかいじ号の運行があったのでこちらを利用することにしました。

はまかいじの「はま」は横浜の「はま」ですね。八王子から横浜線にそのまま乗り入れて横浜まで行く、ちょっぴりレアな電車です。(わたしは横浜まで行かずに手前で降りるんですが)

往路で利用したスーパーあずさに比べて停車駅が多く時間がかかるのですが、八王子から在来線に乗るより特急の指定席に座ったまま移動するほうがはるかにラクです。実際山から戻って足が疲れ切っていたので、この選択はかなりのファインプレーだったと思います。

 

駅に入線してきてすぐわかったのですが、この車両、かなり旧式のようです。

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わたしは鉄道には全く詳しくないのですが、調べてみると、こちらはクハ185系といって国鉄時代の末期に作られた車両のようです。乗ってみると、なんだかとっても懐かしい感じ。

充電用のコンセントもない不便な車両ではありますが、今や貴重な存在のようで、駅のホームには写真を撮るために集まったファンの人もいました。

 

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わたしは窓側の席に陣取ってご当地ビールをいただきます。

おつまみは、松本駅ビル4階の「からあげセンター」さんで買った「一口山賊焼き」です。これがまーめちゃくちゃ美味しかったんですよ。上高地食堂の朝定食を食べて、そのあと昼ご飯を食べる時間がなくとてもお腹が空いていたので、またもや写真を撮るのを忘れてがっついてしまったのですが、いわゆる鶏の竜田揚げに近い感じの郷土料理です。

わたしはテイクアウト窓口を利用しましたが、普通に店内で食事ができるお店でした。昨日の晩は、ここで夕飯にすればよかったかもしれない。と、ちょっと思ってしまいました。

 

さて、クハ185系・はまかいじ号は、ガタンゴトンと懐かしい音を立てて東京方面へ走ります。基本的にどこまでいってもさえない空模様ではありましたが、東京に近づくにつれて空が晴れてきました。

そして!

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車窓に大きな虹が見えました。

楽しい旅の締めくくりにふさわしい風景でした。

 

さて、これでわたしの一人旅のお話は終わりです。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。