あてもなく

誰かへの手紙

奇跡は奇跡として享受する幸せ めちゃくちゃ冷えたビールの話

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先日、普通に冷蔵庫で冷やしてあったビールを手にとってみたら、触った瞬間に「あれ、なんか違う」とわかるぐらい明らかにいつもよりも冷えてて、開けて飲んでみたら案の定めちゃくちゃ冷えててものすごい美味しかったんですよ。

 

だけど、昨日飲んだビールは冷え具合も普通で味も普通。

 

冷蔵庫の中で冷やしてあった場所は大体同じだし、買ってきた日も銘柄も同じで、こないだめちゃくちゃ美味しかったビールとは何も特別に扱いを変えたつもりはないのにこの差は一体何なんだろうとちょっと考えてしまいました。

 

うちにはわたし以外にビールを飲む人はいないので、先日冷えたビールを飲んで「なにこれ、うまっ!」と感動したことも、昨日のビールにちょっとがっかりしたことも、全部わたし一人の頭の中で展開されています。

 

ブログをやっていると、なにかちょっといつもより良かったことやうまくいったことがあると「こうすると良いですよ」という文章に仕立てて公開したくなるんですが、先日のめちゃくちゃ冷えたビールに関しては、何か自分が工夫をして手に入れた結果ではないのでブログ向きではないなあと、ちょっと残念に思いました。

 

ただ、どうでしょう。

例えば「家の冷蔵庫でビールをめちゃくちゃ冷やす方法をご紹介!」などという文章を書くためにこれを再現させようと躍起になると、今後は思い通りに冷えなかったビールはすべて「ガッカリ」になってしまうのではないでしょうか。

本当は、普通に冷えてるビールだって美味しいのに。

そうして、これから先の人生でビールを飲むときに美味しいと思える基準が「めちゃくちゃ冷えたビール」になってしまう。

むやみにそんなインフレを起こしてしまうのも考えものです。

こういうのは何も考えずに「奇跡」としてひっそりと喜んでおくのが幸せなのかもなあと思ったりしました。

 

そういえば、ウチの冷蔵庫は、たまに食材が凍ってしまうぐらい冷えすぎることがあります。

卵を割ってみたらシャーベット状だったり、朝食のとき食べ残したレタスを昼ごはんの時に食べちゃおうと思って出してみたらシャリシャリになってたりという具合に。

何段目が特に、というような法則も特にないような気がします。

温度設定は「標準」です。「弱」に変えるのは不安なのでこれからも「標準」のまま使うつもりです。

 

おそらく、冷蔵庫はメーカーの努力によって全体的にムラなく均一に冷えるように設計されているのだと思いますが、一方でユーザーは適当に買ってきた食材を勝手気ままに突っ込みます。その量や種類・配置によって冷気の流れが変えられて冷え方にムラができてしまうのでしょうね。

ビールの置き場所がたまたま設定された温度より冷えたポイントになって、絶好調に冷やされたその瞬間に取り出され飲まれた場合に、それは「奇跡のビール」となるのです。

 

ちなみに、「ビール 冷やす 方法」でGoogle検索をすると、買ってきたばかりの常温のビールをすばやく冷やすための方法ばかりが出てきて、今回のように普通にビールを冷蔵庫に入れておきながら特別に冷やしておく方法というのは出てきません。

奇跡のビールはやはり、いろんな条件が重なった上に偶然起きる「奇跡」でしかないのかもしれません。

 

ところで、一昨年の冬だったかな、大雪が降ってベランダの柵の内側にまでしっかり雪が積もったことがあって、その時積もった雪の中に1時間ほど埋めておいたビールが、自分が意識して冷やしたビールの中では一番冷えてて美味しかったですね。

冬にしか作れないのが残念です。

 

ビールはそれほど冷やして飲むものではない等の意見もありますが、やっぱり冷えたビールは美味しいです。夏場は特にね。

 

夏の間にもう何回か、そんな奇跡が起きるといいな!