昨日話題になっていた記事です。
うちの中学生のカバンも重いです。
入学したばかりの頃、あまりに重いので家の体重計で量ってみたら13kgもありました。はじめのうちは自分で背負って立ち上がることができなくて、わたしが手伝って背負わせたりしていました。
うちの子の学校では多少の置き勉は許されているので、家での予習復習が必要ない教科についてはほとんど学校に置きっぱなしでした。
それでも時間割の都合によっては10kg超え。さらに別のバッグにお弁当と水筒を入れて持って行きます。
教科書が重いという話になると、脱ゆとり教育のせいでページ数が増えたという風に説明されているのをよく見ますが、実際に子供の教科書を確認すると、そんなことよりもっと直接的な原因があることがわかります。
それは、
最近の学校の教科書は、サイズが大きくて印刷が綺麗すぎるのです。
紙の重さだけではなく、インクの重みというのも積もり積もれば馬鹿にはできません。
こってりと美しく印刷された大判の教科書を与えられた現代の小中学生は、いつも過剰な紙とインクの塊を持ち歩いているようなものなのです。
わたしは昭和50年生まれの42歳で、同じ年代の方ならわかると思うのですが、昔の教科書というのは大抵A5版で、せいぜい二色刷りでしたよね。
フルカラーの教材といえば、社会科資料集・理科便覧などの副読本ぐらいのものでした。
今の教科書は、昔の小中学生が持っていた資料集と同レベルに全ページきっちりフルカラー印刷されたB5版です。
副読本の資料集に至っては、さらに大型化してA4版で作られているものもあります。
ふんだんに図表や写真が盛り込まれ、大変カラフルな仕上がりになっている現代の教科書ですが、見方によっては却ってゴチャゴチャしていてわかりづらいなと思います。
例えば理科の教科書に載っている「原子の周期表」なんて、昔は原子記号と名称だけの簡素な表でしたが、今の教科書では各コマに物質の写真が載せられています。(気体はどれも同じに見える透明なビンの写真(笑))
しかし、元素記号を覚えるのに物質の写真は必要でしょうか。
生徒全員がカバンに入れて持ち歩かなくても、参考までに理科室にでも写真付きのポスターが貼ってあればそれで十分ではないでしょうか。
実物の写真やカラフルな図解はそれほど学習に役立つものでしょうか?
個人差はあると思いますが、わたしはあまりごちゃごちゃ色を使われると気が散ってしまう方なので今の教科書だと勉強しにくい気がしてなりません。
「カバンが重い」問題とセットで教科書の電子書籍化にまで話が及ぶことも多いですね。たしかに電子書籍はいろんな問題を一気に解決してくれそうです。ですが、現実にはなかなかそのレベルまで一足飛びに到達するのは難しいと思います。
これだけ教科書が重いことが問題になっているのですから、一旦は紙ベースの教科書の軽量化について早急に検討するべきです。
教科書の内容についての議論は熱心に行われていても、「持ち運びのしやすさ」という視点での検討は全く行われていないのではないでしょうか?
教科書づくりの過程で実際にカバンに入れて持ち運ぶのは子供たちだということが完全に置き去りにされている事実は大変残念なことに思えます。
ここらで、軽くて持ち運びがしやすい教科書づくりで差別化してくる出版社が現れれば面白いのになと思います。
(追加)
そういえば、昔の教科書って上下巻に分かれてませんでした?単純な方法だけど、手っ取り早く荷物が軽くなるので良いですよね。