あてもなく

誰かへの手紙

それでも働いてよかったと思うこと

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昨日は「パートで働くのってそんなに良いもんじゃないよ~」的な話を書きました。

 

でも、そんなことを言えるのは、主婦の立場で仕事を持ってみた経験があるからこそかもしれません。

だから、もし専業主婦で、自分の価値が低く感じられたり引け目を感じたりして悩んでいるならば、思い切って一度働いてみればいいんじゃないかな?とも思います。

やってみた上で、やっぱり家事との両立はしんどい・仕事が自分に合わなくてつらい、その大変さと、見返りとして得られるものを天秤にかけて、割に合わないと思ったら辞めればいいんです。

パート勤めはそれぐらい気軽なものだと思います。

 

わたしは社会人経験がほとんどないまま家庭に入ってしまったため、自分の能力がどの程度社会で通用するものなのかという点についてはかなり自信がありませんでした。

能力に自信がない、というと語弊があるかな。今まで少ないなりに働いてきた経験(学生時代のアルバイト等も含む)の中で、自分が劣っていると感じたことはなかったので。

ただ、「わたしは仕事ができるほうだと思う」というその自信?を裏づけてくれる職歴がありませんでした。だから、わたしのような者を社会が受け入れてくれるとは到底思えなかった、というのが正確かもしれません。

(1998年新卒で、氷河期に就職活動をして散々な目にあったのもトラウマになってると思います)

 

ただ、これもパートの求職活動をしてみてわかったのですが、主婦パートを使い慣れた職場なら、職歴がぺらっぺらでも「真面目そう」「既存のパートさんたちの雰囲気に合ってる(仲良くできそう)」「家が近い(電車が止まっても出勤できる)」などの条件で採用してもらえたりするんですよ。

もちろん、書類選考だけで落とされる会社もたくさんあって、慣れるまではちょっと傷ついたりするんですけど。

 

で、めでたく採用が決まって外で働いてみますと、いろんな人との出会いが待っています。

もしかしたら、今まで会ったことがないような能力の高い人に出会えるかもしれない。

逆に、こんなに仕事できないのにクビにならないんだ!みたいな人に会っちゃったりもします(←後者のほうが確率高い)

で、その能力が高い人が必ずしも正規雇用されているかというとそうではなくて、派遣だったり契約社員だったりすることもあります。もちろんパートさんの中にもうんと優秀な人はいました。

一方で、能力の高くない人が正社員をやっているなんてケースも多々あります。

なんでそうなるのかって、背景にあるいろんな条件……たとえば生まれた年とか、性別とか、諸々のタイミングによって左右されてそうなっているので、世の中って能力だけではどうにもならないこともあるんだなーってことがわかります。

また、いろんな人に混じって仕事をしていく中で、自分の得意不得意、長所短所が相対的な基準で客観的に見えてきます。

そうすると、専業主婦が外で働いている人よりも立場が低いとか、パートや非正規労働者は正社員より能力が劣るとか、そういう平べったい基準で世の中は測れないんだなということが見えてきます。

それは本当に、働いてみたからこそわかったことです。

パートとして勤務し、大事な時間を1000円札に交換し続けたわけですが、それ以上に得られるものがあったから仕事を続けることができました。

それが、わたしの5年半だったわけですね。

 

そんな研修期間を経て、現在わたしは専業主婦です。

だから、今のわたしはどんなに政治が「女性活躍」を推奨しようとも、穏やかな気持ちでいられます。

というわけで、昨日は「パートなんてつまんないよ」って言ってましたが、今日は逆に、迷っているならぜひ働いてごらんよ、ということを言いたいと思います。

角度を変えると、人生はいろんな見方ができるものです。

正解も不正解ないんだな、と。最近つくづくそんなことを考えます。