キャッシュレス生活・電子マネーのことをこれまでより意識して過ごしていると、日々いろんな気付きがあります。
今日はヤマト運輸が展開している「クロネコメンバーズ」というサービスについてのお話をしたいと思います。
はじまりはたまたま今日、用事があって宅急便の集荷に来てもらっただけの話だったのですが、まさか電子マネーの話になるとは思いませんでした。
クロネコメンバーズとは
宅急便でおなじみのヤマト運輸の会員サービスです。
サービス内容はだいたい下記の通り。
- 自分宛てに届く荷物がある時に事前にお知らせのメールが届く
- 不在連絡もメールで届く
- 配達日時変更、再配達の指定がWebでできる
- 発送する荷物がある時事前にWebで送付先の情報を入力しておくと手書きの伝票を作成しなくて済む
- 集荷の依頼ももちろんWebでできる。送付先事前入力で伝票の作成いらず
- 「電子マネー」を利用すれば「クロネコメンバー割」で運賃が10%割引される
詳しくは公式サイトで確認してくださいね。
メンバー登録の際に住所・氏名・電話番号を登録します。
登録が完了すると、以降その登録情報に一致する宛先の荷物をヤマト運輸が引き受けると、自動的にお知らせのメールが送信されるようになります。
送り主が日時指定をして発送していればその内容も知らされますし、送り主の名前ももちろんわかります。
登録するとどうなるか
わたしがクロネコメンバーズを知ったきっかけは、以前遠方に済む妹宛にサプライズ的に誕生日プレゼントを送ったときのこと。
本人には知らせずに黙って発送したのに、到着日より前に「なんか送ってくれた?ありがとう」と、妹の方から連絡が来ました。
「なんでわかったん!?」
「クロネコメンバーズに登録してるから、荷物が来る前にわかる」
姉の名前で誕生日に荷物が届くとなれば誕生日プレゼントだって思いますよね(笑)
そんなやりとりを経て、そりゃ便利なサービスがあるもんだと思ってわたしもメンバーになることにしました。
(サプライズといっても別にそれほどこだわりがあったわけではないのでその点については大丈夫です)
クロネコメンバーズに登録すると、どこかの誰かがわたし宛に荷物を送ったら必ず事前にお知らせのメールが来るようになります。
そのメールに記載されたURLにアクセスすれば簡単に配達日時の変更ができるので大変便利です。
わかっていてもその時間に在宅できなかった時は、不在連絡のメールが届くので、同じようにそこに記載されたURLにアクセスして再配達の依頼ができます。
送り主側でクロネコメンバーズの特典を使うことはあまりないのですが、今日久しぶりに荷物を発送する用事があって、クロネコメンバーズのWebサイトから集荷を依頼しました。
きちんと指定したとおりの時間に、我が家の地域担当のおなじみのドライバーさんが家に来てくれました。
申し込みの時点で送付先の情報を全部入力しておいたので本当に伝票要らずでした。
さて、ここまではかなり順調。
しかしそのあとアレっ?と思ったことがありました。
ここから話は電子マネーの話とつながります。
「電子マネーで支払える」とは?
クロネコメンバーズに登録する時に、希望すれば「クロネコメンバー割」が利用できる電子マネー機能付きの「クロネコメンバーズ電子マネーカード」を発行してもらうことができます。
(「希望しない」で電子マネー以外の上記サービスのみ受けることもできる)
この「クロネコメンバーズ電子マネーカード」にはnanaco、WAON、楽天Edyのいずれかが付帯します。
こちらは実際にわたしが持っている「クロネコメンバーズ電子マネーカード」です。
特によくセブンイレブンやイトーヨーカドーを使うわけでもありませんが、3つのうちどれかを選ばなくてはならないというので気まぐれにnanacoが付帯したものを選びました。
さて、注意したいのが「付帯」という言葉です。
このカード、nanacoの機能は「付帯」しているけれど、実は、nanacoにチャージしたお金は、クロネコメンバー割で運賃を支払うためのお金としては使用できません。
どういうことかというと、nanacoとは別に、クロネコヤマト専用の電子マネーというものが存在していて、クロネコメンバー割の運賃を支払うにはその専用電子マネーを事前にチャージしておく必要があるのです。
nanacoとクロネコヤマト専用電子マネーは同じ1枚のカードに相乗りしてはいますが、チャージされたお金がその2つの電子マネーの間を行ったり来たりすることはできません。
nanacoがクロネコメンバー割の運賃支払いに使えないのと同様に、クロネコヤマト専用電子マネーをコンビニ等での支払いに使うこともできないということです。
わたしは、クロネコメンバーズカード上のnanacoにはいくらかお金をチャージしていましたが、クロネコヤマト専用の電子マネーにはお金をチャージしていなかったので、今回集荷に来てもらった荷物の運賃を電子マネーで支払うことが出来ませんでした。
「チャージしていなかった」というか、「知らなかった」というのが正しいです。クロネコヤマト専用の電子マネーというものが別に存在しているのを知らなかったので、nanacoにチャージがあればそれで十分だと思っていたのです。
ちなみに、この話、公式サイトにはきちんと書いてあります。
なので、この件について「わかりにくい」と怒るつもりはありません。わたしの認識不足です。
ドライバーさんとのやりとり
さて、支払いの段になって例のクロネコメンバーズカードをドライバーさんに渡したところ、読み取り機でエラーが出ました。
ドライバーさん「お金がチャージされていませんね」
わたし「いや、おかしいですね、この前チャージしたはずです」
ド「どこでチャージしましたか?」
わ「えーと、コンビニで」
ド「コンビニでチャージしたお金は運賃の支払いには使えないんです」
わ「どういうことですか?」
ド「ヤマト専用の電子マネーじゃないとダメなんです」
わ「え、nanacoとは別の電子マネーがあるってことですか?」
ド「そうです。ヤマト専用の電子マネーっていうのがあって、運賃はそっちで」
ここで初めて、そのカードに2本別々の電子マネーが乗っかっている事を知ります。
とりあえず、わたしの思うような使い方はできないことはわかりました。
わ「えーと、それなら、たしかにチャージしたことないですね。じゃあ、ヤマトさんの電子マネーにはどうやってチャージするんですか?」
ド「それは…クロネコメンバーズのサイト...から…?(※後述)」(この辺、ドライバーさん詳しくないみたいでしどろもどろ)
わ「そうなんですか〜(まあいいか)じゃあとりあえず今はそのカードでは払えないってことですね?」
ド「はい、そうです(※後述) すみません」
わ「じゃあ、現金で支払いますね」
というわけで、わたしは一度部屋に戻って財布を持ってきて、正規の運賃を現金でドライバーさんに支払いました。荷物は無事引き受けられて旅立って行きました。
ドライバーさんが帰っていったので、早速調査開始。
公式サイトで調べた結果、会話文の中で(※後述)マークを付けた2箇所が誤りであることがわかりました。
まず、クロネコヤマト専用電子マネーへのチャージ方法は、
ヤマト運輸直営店に設置の専用端末、もしくはセールスドライバーがご自宅・会社などへ訪問した際にチャージできます。
とあります。
つまり、ドライバーさん、あなたがチャージ受付できるんじゃないですか(笑)
多分その読み取り機にチャージ機能も付いてるんですよね。
正しい対応としては、「今ここでチャージされますか」だったんじゃないんでしょうか。その場でチャージしてその場で使う。
ただし、注意。
チャージ出来る最低金額は5,000円とのこと。今回の運賃は1,300円ほどだったので、もし今回チャージしてしまうと4,000円近い残高が電子マネーの中にプールされたままになります。そして、その電子マネーは宅急便運賃の支払いにしか使えない残念な電子マネーです。次いつ使うかわかんないのに。
というわけで、ドライバーさんが正確にオススメしてくれてもわたしはチャージしなかったと思います。
次、「このカードでは支払えない」について。
クロネコメンバーズ電子マネーカードに付帯する電子マネーでも宅急便の送料をお支払いいただけますが、宅急便の送料は割引されません。
つまり、わたしはわざわざ室内に戻ってお財布を取ってこなくても、そのままnanacoで支払おうと思えば支払うことはできたということです。ただ、クロネコメンバー割がきかないだけで。
ここでのドライバーさんの対応としては、「割引にはならないですが、nanacoで支払われますか?」というのが正確だったのではないでしょうか。
それなら、わたしはnanacoで支払いたかったです。
というわけで、実質あまり利用されてる人っていないのかなあ。ドライバーさんもこの電子マネーの扱いについてはあまり慣れていないようでした。
日頃よく見かけるドライバーさんで感じのいい方なので、仕事自体が未熟というわけではないと思います。
考察
今回はまた新しい電子マネーのことがわかったので良い経験になりました。
おそらくメンバーズに登録した時点で何度も説明を目にする機会はあったと思うので、「ヤマト専用の電子マネー」というものがあることを知らなかったのはわたしの認識不足でした。
ヤマト専用の電子マネーは5,000円以上でしかチャージ出来ないということなので、「メンバー割」はもっと頻繁に荷物を送る人でないと利用しづらい制度だと思いますし、ヤマトさんがもともと想定しているターゲットもそこですよね。
しかし、それならば従来の磁気カードを使ったプリペイドカードやポイントカードでも良いものを、わざわざ「電子マネー」という形でサービスを運用しているところを見ると、きっと長い目で今後はもっと違った展開を見据えているのかな~とは思います。まあ、そんなん言うてかれこれ何年?って感じもしますけど。
電子マネーのカードはICチップを搭載していますが、このICチップ、発行するにはそれなりにコストがかかるものです。先日書いたとおり、nanaco、WAON、楽天Edyなどの電子マネーカードは普通に発行しようとすると300円の発行手数料が取られますよね。
その部分をヤマト運輸側が負担してユーザーには無料でカードを発行しているわけですから、それなりの狙いがあると考えて良いと思います。
わたしはクロネコメンバーズになったとき、無料でnanacoが手に入っただけでも得をしたなと思っていました。
もしかしたら、無料で電子マネーカードを手に入れる裏技と言ってもいいかもしれません。ちょっと派手な色遣いですが、デザインにそれなりにかわいさが感じられるので悪くないと思います。
また、想像ですが、ヤマト運輸が単独でICカードを発行することは何らかの事情で難しいので他の電子マネーと相乗りする形を取らざるを得なかったのかなと思ったりしました。発行費用の負担の兼ね合いかなー。ま、その辺はわたしは詳しくないですけど、「無料」というのはタダではないですからねー。
まとめ
クロネコメンバーズは便利
クロネコメンバーズ電子マネーカードはちょっと難しい
でも、電子マネーカードを無料で手に入れられる裏技かもしれない
以上、思いがけず大作になりました~。